くらし 村長Diary

・豪雨災害から、もうすぐ5年が経とうとしています。沖鶴橋の完成や各地区での嵩上げ、遊水地の整備など復興への取り組みは着実に進んでいます。そのような中、3月31日、住民の皆さんの悲願ともいえるJR肥薩線の鉄道での復旧が最終合意され、2033年度の運行開始を目指すことが決定されました。
・村としましても、肥薩線の復旧は、復興計画の重要な施策の一つであり、当村にとってはもとより、沿線自治体にとっても復興に大きな弾みとなるものであり、復興をさらに前進させ未来への希望に繋がるものと期待しています。
・肥薩線は、豪雨災害以前、沿線地域の交通機関として通勤、通学、病院受診など住民の皆さんの交通手段としての役割を果たしていました。また、日本の三大急流のひとつの球磨川に沿って走る「川線」の絶景は、多くの観光客を惹きつけ、人吉球磨地域の観光振興にとって欠くことのできない存在でもありました。
・しかし、ご承知のとおり、今回の最終合意に向けて駅の再編が協議され、那良口駅を含む3つの駅が廃止されることとなりました。
・この結果を受けて、那良口駅を最寄り駅とする那良川沿いの三ヶ浦地区住民を対象に説明会を行い、廃止に至る経緯等を説明させていただきました。
・村内の各駅には、それぞれの名誉駅長さんがいらっしゃいます。那良口駅は同地区にお住まいの林エミ子さんです。林さんご夫妻は、災害前から駅舎周辺の草刈りや清掃作業をしていただいており、被災後も鉄道での復旧を願ってその活動を続けていらっしゃいました。説明会の中でも、「駅舎やホームはどうなるのか」「残せるものなら残してほしい」などのご意見を頂きました。
・村としても明治43年、貨物の専用駅として開業してから100年以上の歴史ある那良口駅を、今後どのようにしていくのかは大きな課題と捉えています。今後とも住民の皆さんとしっかり考えていきたいと思います。
・今後は、2033年(令和15年)肥薩線の運行再開を目指し、沿線の環境整備をはじめ、観光資源の開発、公共交通網の整備など村の役割を果たすことで、村民はもとよりたくさんの方々に利用していただけるように取り組んでまいりますので、引き続きご理解ご協力をお願いいたします。