- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県球磨村
- 広報紙名 : 広報くまむら 2025年10月号
8月22日、群馬県川場村への議員研修に同行させていただきました。研修の目的は、渡小学校跡地に整備を予定している「道の駅」整備のための視察研修です。川場村は、総面積85.25平方キロメートル、そのうち86.5パーセントが森林という自然豊かな農山村です。また、8月末時点の人口が2928人と球磨村と同規模の村でありながら、道の駅の年間来場者数が290万人(令和6年)、じゃらん「全国道の駅グランプリ」で2年連続第1位という評価を得ています。そのようなことから、道の駅の整備や運営方法等を学ぶことができればと考えて訪問しました。
川場村の基幹産業は農業で、川場産コシヒカリのブランド化、コンニャクイモは全国生産の9割が群馬県で生産され、その内の7割が川場村で生産されており、リンゴやブルーベリーなど果物の生産にも力を入れておられます。そして、今回の研修の目的である道の駅を含めた観光については、村づくりのキーワード1番目に「農業プラス観光」を掲げ、農業振興はもとより農産物を使用した加工品の開発にも力を入れておられます。道の駅では、ワイン、地ビール、ハム・ソーセージ等、加工品の品ぞろえが豊富で、飲むヨーグルト(プレミアムヨーグルト)においては、村内の4つの酪農家から提供していただいた生乳を使い、年間1.5億円ほどの売り上げがあり、その他、ホテルSL事業や川場スキー場の取り組みなど、農業と観光を連携させることにより、観光客の満足度向上にも繋がっているとのことでした。
そして、キーワード2番目「都市交流事業」では、1981年(昭和56年)東京都世田谷区と「区民健康村相互協力協定」を締結し、2か所の区民健康村施設を整備するなど、現在でも多くの区民の方が村を訪問するなど交流が継続されています。この協定の締結に当っては、多くの自治体が候補地となり最終的に川場村が選定されましたが、その選定理由は「川場村には何もないから」だったそうです。
何が人の心に刺さるのか不思議なところですが、そうしたことをきっかけに川場村の観光交流は大幅に伸びたとのことでした。
球磨村は、令和2年7月豪雨災害によって多くのものを失いましたが、これから災害前、それ以上の村の賑わいを取り戻さなければなりません。その鍵になるのが「道の駅の整備」であると考えています。
道の駅の整備には、もうしばらく時間がかかりますが、球磨村の魅力を最大限に活用しながら、復興まちづくり計画にも示した、地域の賑わいづくり、村民が集える場所として整備をしてまいりますので、引き続き村民の皆様のご理解・ご協力をお願いします。
