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- 自治体名 : 大分県中津市
- 広報紙名 : 市報なかつ 令和7年8月号
消化器内科 安部 雄治
■大腸がん検診のすすめ
大腸がんの発症率は30代から増え始め、70代でピークに達する傾向にあります。
最近、男性・女性ともに、大腸がんにかかる人や大腸がんが原因で亡くなる人が増えています。特に女性はがん死亡数が第1位(男性は第2位)になっています。大腸がんで亡くなる人が多いことも事実ですが、大腸がんは、早期発見して適切な治療を行えば、治りやすいがんのひとつともいわれていて、当科では積極的に早期大腸がんの発見、内視鏡治療に取り組んでいます。がんの治療成績を示す指標のひとつに、がんが発見されてから5年経過した後の生存者の割合を示す「5年生存率」がありますが、早期に発見された大腸がんの5年生存率は約99%に上ります。その一方、がんが進行してしまうと、極端に生存率が低下します。
大腸がんには初期症状を自覚しづらい特徴があります。そのため、大腸がんを早期に発見するためには、便潜血検査や内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが大切です。便潜血検査とは、検便で大腸からの出血を調べる検査法です。また内視鏡検査は、カメラを肛門から大腸へと挿入して腸の内部を調べる検査です。40歳以上の人は最低でも便潜血検査を年に1回は受けることをおすすめします。50歳になったら一度、大腸の内視鏡検査を受けましょう。その後、異常はなくても3~5年に一度は定期的に大腸の検査を受けることをおすすめします。また、当院ではできるだけ身体への負担を減らして検査したい人は大腸CT検査も選択可能です。
問合せ:中津市民病院
【電話】22-2480