- 発行日 :
- 自治体名 : 大分県日田市
- 広報紙名 : 広報ひた 令和7年9月号
■ハラスメント・シリーズ(3)「人としての敬意」
前回、前々回では、「職場のパワハラ」にスポットを当てましたが、就職活動中の学生が被害を受ける「就活ハラスメント」も大きく注目されています。
その中でも、真っ先に挙げられるのは「就活セクハラ」。令和6年の調査では、対象となる学生の約3割が就活中にセクハラを受けたとされています。内容としては、「性的な冗談やからかい」「食事やデートへの執ような誘い」といった、職場内セクハラと同類のものが多くなっています。
企業にとっては、優秀な人材の採用という重要な場面であり、しかも相手はまだ自社の一員ではない学生であるにもかかわらず、試験(面接)の場でも「職場という狭い範囲が世界のすべて」であるような、身勝手かつあさましい振る舞いが露呈されているようです。
このような状況を受け、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省が合同で、毎年4月に公表する就職・採用活動に関する要請等では、ハラスメントの防止に関する要請が年々具体化しています。そして、その要請の中には当然のように、パワハラの防止が明記されています。就活中のパワハラ事例を見ると、面接時に「人格を否定するような暴言、受験者の家族をバカにした発言」などが挙げられており、評価の場である面接が受験者の人格をひどく傷つける場に変わってしまっているようです。そのうえで、面接官、採用担当者、役員など、評価の最前線役による人物の加害行為が多くなっています。このため、被害を受けた学生の4割が当該の企業に対し悪いイメージを持ち、さらには内定を辞退したケースも3割近くにのぼるなど、少なくない影響が表れています。
これまでに経験したことのないような「働き手不足」に直面している日本社会。働くことに希望を持つ学生は、ほとんどの場合が“ひとり”で試験(面接)に臨みます。その学生に対し、複数の人員で対応する企業側に「人権を尊重した配慮、相手に対するリスペクト」が欠如し、まっとうな就活ができないような現状を変えることも“待ったなし”の状態です。
問合せ:人権啓発センター
【電話】22-8017(市役所別館1階)