くらし 市長室から Vol.118

杵築市長 永松 悟

■アサリの母貝団地
守江干潟は、かつてはアサリが豊かで、市内外からの潮干狩り客で賑わっていました。しかし、2012(平成24)年の九州北部豪雨で干潟に大量の砂泥が流入し堆積した影響もあり、アサリが激減し、10年前から潮干狩りは原則禁止となっています。
市の調査で、アサリの稚貝が守江湾内で成長できていないことが判明したため、8年前からアサリの人工種苗や天然種苗を被覆網や網袋に入れ、ナルトビエイ等の食害から保護し安全に成長させる母貝団地を造成する実証試験を重ねています。
特に、現在取り組んでいる農水省の水産多面的事業の成果で、母貝団地内の産卵量が増加し、アサリの現存量も年々拡大し、直近3ヶ年は13〜22tの範囲で推移しています。また、生息密度も400〜500個/平方メートルとなり、アサリ養殖に光が見えてきました。

■干潟機能の再生へ
この事業の中心は市漁協と納屋地区・灘手地区の漁業者33名の皆さんです。目的はアサリ資源の回復による干潟機能の再生です。そのためにも、母貝団地の管理の継続は不可欠です。
そこで、この養殖事業の活動資金のために、今月上旬から『杵築市アサリ復活プロジェクト』としてクラウドファンディングを予定しています。目標額は300万円。600人の支援者(応援団)に、平均5千円の支援金をお願いし、返礼品には活アサリやハモしゃぶセット、アサリの養殖漁獲体験が用意されています。
また、干潟や水質等の環境モニタリングに大分大学の鶴成教授(山香在住)のご協力をいただき、さらに杵築高校2年生が地域の課題探求の場として参画予定です。
皆さんの温かいご支援をお願いします。