くらし 幸せになろうね 人権 心の扉 No.342

『隣保館学習~「幸せに生きる」ために』

九重町の小・中学校では、ここのえ学園基本計画に基づき、9年間を見通した「九重町人権共通教材」を策定し、すべての学校で同じ内容の人権学習に取り組んでいます。目的は、学年や発達段階に応じて、人権に関する知的理解と人権感覚をバランスよく養うことで、「自分の人権を守り、他者の人権を守ろうとする意識・意欲・態度」を育成することです。取り組みを始めて10年近くが経過しましたが、毎年見直しを行いながら、子どもたちや社会の実情に応じた内容となるように工夫して取り組んでいます。
さて、学校で行われている人権教育は、「共通教材」の取組だけではありません。今回は、小学校6年生の社会科のカリキュラムにある「隣保館学習」についてご紹介します。
町内6つの小学校では、1学期に「わたしたちの願いと政治のはたらき」という単元の中で、九重町隣保館について学んでいます。実際に隣保館を訪問し、隣保館の役割やこれまで身近で起きた人権問題とその解決に向けた取組、いじめ問題などについて、職員の方からお話を聞きます。子どもたちは、教えてもらったことについて話し合いを重ね、人権を大切にする住民の思いや行政の仕組みについて学びを深め、人権を自分事として考えます。
隣保館への訪問は、年に1回の計画ですが、今年度はさらに学びを深めるために、2回訪問した学校もありました。隣保館学習を通じて、子どもたちは幸せに生きるために大切なことを学んでいます。学習の成果は、12月の「いのち・愛・人権フェスティバル」でも紹介されましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。学習後の感想の一部を紹介します。
・差別をしない、相手のことを考えるなど、自分にできることがたくさんあるなと思いました。
・人権とはしあわせになる権利と教えてくれた時に、「そういうことなんだな」と思って心に残りました。
「差別やいじめをなくすために あなたは 何をしますか?」
隣保館の方からの子どもたちへの問いかけです。私にできることは何だろう。私にもできることは何だろう。私だからできることは何だろう。子どもたちと一緒に、私たち大人も、「幸せに生きる」ためにできることを考えたいと思います。

(教育振興課)