文化 都城島津伝承館だより

■「島津久寛履歴并授爵願原稿(しまづひさひろりれきならびにじゅしゃくねがいげんこう)」
本史料は、都城島津家26代久寛ら歴代当主の功績および27代久家の授爵願に関わる書類の原稿をまとめたものです。久家は、24代久本の6男北郷久政の長男で、久寛に子どもがいなかったため明治17(1884)年4月に都城島津家を継ぎました。その後、久寛以前の当主らの功績により同24(1891)年12月に男爵の爵位を授けられ華族となりました。
「旧主家之儀ニ付上陳内意(きゅうしゅけのぎにつきじょうちんないい)」や「島津久家授爵願ノ儀ニ付上表(じょうひょう)」、「日向国都城旧領主島津久家授爵願」など、島津本家当主や都城島津家重臣の名義で書かれた上申書の原稿一式がつづられている本史料。各原稿には朱書きで訂正事項が書き込まれていて、慎重に校正が重ねられたことが分かります。また、書類の原稿だけでなく、久家の授爵に当たり宮内省から出された意見の聞書(ききがき)も記されています。
久家が男爵になるまでの一連の流れが分かる貴重な史料です。

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