- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県都城市
- 広報紙名 : 広報都城 令和7年4月号
■馬の正月「うんまんしょうがっ」
高木町や上長飯町、高野町などでは、4月3日を「うんまんしょうがっ(馬の正月)」と呼んでいました。この日、農繁期に向けて馬の飼い主らが、節句の餅や田のレンゲソウを与えて馬をねぎらい、酒宴を行いました。また、馬を飼っていた大農家だけでなく、牛を飼っていた農家も馬頭(ばとう)観音に参拝し、絵馬を奉納して牛馬の健康と安全を祈願しました。
農業の機械化の波が少しずつ押し寄せてきた昭和34年に蓑原町で撮影された写真には、トラクターによる土層改良の様子が写っています。トラクターは高価だったため、当時は市が農家に有料で貸し出していました。トラクターと共に藁(わら)を運ぶ馬も写っていることから、機械化が進みつつあっても、まだ牛馬が農作業に欠かせなかったことが分かります。
その後、昭和40年代になると機械化が本格的に進み、農業で活躍していた牛馬の姿は徐々に消えていき、うんまんしょうがっも見れなくなりました。
問い合わせ:文化財課
【電話】23‒9547