- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県日向市
- 広報紙名 : 広報ひゅうが 令和7年1月号 No.836
昭和24年(1949)1月26日、現存する世界最古の木造建築物である法隆寺金堂(奈良県斑鳩町)が炎上し、十二面壁画の大半が焼損しました。この事件を受け、先人たちが残した文化財を火災から守ろうとの世論が高まりました。そして昭和30年(1955)、文化財保護委員会(現在の文化庁)と国家消防本部(現在の消防庁)は毎年1月26日を文化財防火デーに制定しました。文化財を火災、震災その他の災害から守るとともに全国的に文化財防火運動を展開し、国民の文化財愛護に関する意識高揚を図っています。
近年では、フランスのノートルダム聖堂、沖縄の首里城の炎上などが記憶に新しいと思いますが、本市においても平成24年(2012)12月に、県指定文化財の建物に隣接する家屋から出火し、延焼は免れたものの、壁の一部が焦げるなどの被害が出たこともありました。
日向市には美々津の伝統的建造物群保存地区や細島みなと資料館のほか、木造の建造物が多数残されており、古文書類を収蔵している他、一部の地域には木製の仏像や神像が祀られています。文化財はその特性上、燃えやすい素材である木や紙などが使用されていることが多く、一度燃えてしまうと、もとの状態に回復させることはほぼ不可能です。
日向市でも、毎年文化財防火デーに合わせて建物の消防設備の点検、避難経路の確認、消火訓練などを行い、火災を始めとした地震、津波などの震災発生時に文化財への被害を最小限に抑えられるよう備えています。
これから空気が乾燥し、火災が発生しやすい時期になってきます。文化財だけでなく、みなさんの命、財産を守るためにも火の元の取り扱いには十分気を付けましょう。
問い合わせ:教育総務課文化財係
【電話】66・1036