- 発行日 :
- 自治体名 : 宮崎県日向市
- 広報紙名 : 広報ひゅうが 令和7年7月号 No.842
●市指定史跡「高鍋藩御仮屋(おかりや)跡」
●市指定有形文化財「旧高鍋屋旅館及び付属屋」
細島は、県内でも有数の規模を誇る細島港を有します。江戸時代は天領の港であり、南九州を治める藩の藩主が参勤交代の際にも利用したことから、御仮屋が細島に軒を連ねたといいます。各藩の宿泊した本陣は、飫肥藩なら「飫肥屋」、薩摩藩なら「薩摩屋」など、藩の名前を冠したようです。
細島みなと資料館もその一つで、かつて三輪家が高鍋屋という屋号で旅館業を営んでいました。
江戸時代には高鍋藩の御仮屋(現在管理棟)として、公的な宿泊所の役割を果たし、この御仮屋は昭和20年頃まで存在しました。
明治から大正時代にかけては、細島港の物流拠点としての立地を活かし、全国の商人等の一般客を受け入れ、利用客の増加に伴い大正10年に木造三階建てに建替えが行われました。
昭和に入ると海軍の船が細島港に入港し始め、将校・士官の宿泊所として利用されました。戦時中に米軍の空爆によって一時休業したものの、23年には営業を再開し、57年まで地域の集会や冠婚葬祭の場として親しまれました。
平成8年には高鍋屋旅館、付属施設は市の有形文化財に、御仮屋跡は史跡に指定されています。
建物は日向市唯一の木造三階建ての主屋、木造二階建ての付属屋が二棟、木造平屋が一棟、台所、風呂、便所、倉庫四棟、庭四箇所からなります。玄関の唐破風(からはふ)による車寄せや時代を感じさせる電話室などの設備、内壁の仕上げ、格子、欄干の意匠など、見どころが多くあります。
細島みなと資料館は細島の歴史や風俗を伝える展示施設として、平成11年から一般公開しています。近くにお立ち寄りの際はぜひご覧ください。
木造三階建ての「細島みなと資料館」
〒883・0001 日向市細島803・1
入館料:一般220円、こども110円
問い合わせ:教育総務課文化財係
【電話】66・1036