くらし 公共施設の未来を考える

市の建物や道路などの公共施設の多くが、今から30年~40年前に整備されており、今後一斉に老朽化が進み、施設の更新や維持保全の費用が集中することが見込まれます。
公共施設の未来について考えてみましょう。

◆施設の現状
市には、さまざまな用途の建物系公共施設がおよそ340(延べ床面積およそ306,300平方メートル)あります。施設分類別の構成率は、学校施設がおよそ34%で最も大きく、公営住宅施設、文化交流センターなどの教育施設と続きます。
また、インフラ系公共施設として、道路や橋梁、上下水道施設を保有します。
多くの公共施設で老朽化が進んでいて、現在保有する全てを更新しようとすると莫大な更新費用が必要になると試算しています。

◇公共施設(建物系)の保有状況

◇公共施設(建物系)の更新費用の推計

(資料:第3次日向市総合計画)

・今後40年間の更新費用推計…およそ1298億円
・1年あたりの更新費用…およそ32.4億円

◇公共施設(インフラ系)の更新費用の推計(今後40年間)


・今後40年間の更新費用推計…およそ1357億円
・1年あたりの更新費用…およそ33.9億円

◆公共施設マネジメントに取り組んでいます
このような状況と本格的な人口減少社会の到来や厳しい財政状況を踏まえ、市では保有する公共施設を総合的に把握し、効率的に管理及び利活用していく「公共施設マネジメント」に取り組んでいます。
更新、維持保全などを計画的に行うことで、財政負担の軽減・平準化を図り、市民ニーズに対応した、将来世代に負担を残さない最適な公共施設の保有と持続可能な行政サービスの提供を目指していきます。

◆日向市公共施設等総合管理計画(H28年度策定・R4年度改訂)
今後30年間の公共施設マネジメントの基本目標 三原則

◇安全・安心の確保
毎年、建物の定期点検を行い、不良箇所の修繕に取り組んでいます。また、旧耐震基準で建てられている建物については、耐震診断を行い、その結果に基づき、耐震化を図っています。令和6年度は、美々津公民館の耐震補強工事や社会同和教育集会所の耐震診断及び耐震補強工事を行いました。

◇ライフサイクルコストの縮減
(1)施設の利活用
廃校になった校舎などを民間事業者に貸付を行い、施設の利活用を行っています。
(2)ネーミングライツ
財源確保のために、民間事業者からの提案を随時受け付けています。
(3)公共施設照明のLED化
ゼロカーボンの推進及びランニングコスト縮減のため、令和6年度から順次行っています。

◇総量の最適化
(1)施設の売却
旧校長住宅など3棟を令和6年度に売却。そのほかの使用されていない施設も、順次その有効活用や売却に向けて取り組みを進めています。
(2)民間施設の活用
サービス機能を維持するため、既存の民間施設を活用します。令和6年度は、春原の老人福祉センターをイオン日向店舗内2階テナントへ移転し、建物の老朽化や耐震性の課題解消に加え、利便性の向上を図りました。
(3)施設の解体
令和6年度は、建替に伴う旧東郷診療所や旧岩脇中学校の体育館やプール、技術棟の解体を行いました。令和7年度は、旧福瀬小学校北校舎及び地区公民館の解体工事に着工しました。また、春原の老人福祉センターなどの解体を行い、解体後の市有地の利活用については、引き続きそれぞれの地域の皆さんと検討していく予定です。

◆ご理解ご協力をよろしくお願いします。
公共施設マネジメントを進めていくうえで、公共施設の総量を削減することになるため、市民の皆さんにご不便をおかけすることが避けられません。
皆さんのご理解をいただきながら、施設の解体などを進めていますが、人口減少もあり、人口一人当たりの公共施設延床面積が増加していることにも注視しておく必要があります。持続可能な行政サービスを提供するために、市民の皆さんと一緒に考えながら取り組みを進めていきますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。

市ではこれからも情報提供に努めながら皆さんと一緒に考えていきます。随時、ご意見を受け付けています。
意見をお聞かせください。
資産経営課【電話】66・1013(直通)