- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県出水市
- 広報紙名 : 広報いずみ 6月号(2025年6月1日発行)
活力を生み出す人。
それは、エネルギーに溢れ、
新しいことに挑戦する人。
新しいことに挑戦する人が多いまちは、
活力があるまちだ。
出水には今、多くの挑戦者たちがいる。
挑戦者たちが創る新しい風で、
まちは活気を取り戻す。
■出水に吹く風 Wind
現在出水市では、南九州西回り自動車道の建設工事が進められていますが、競い合うかのように、企業の事業拡大や新規創業などの経済活動も大きな動きを見せています。今、吹いている風はまちにどのような影響をもたらすのでしょうか。
◆追い風 Tail Wind
南九州西回り自動車道・(仮称)道の駅「出水」の建設
南九州西回り自動車道(芦北出水道路)の全線開通を見込んで、市と企業の立地協定件数・設備投資額が出水阿久根道路開通(H29)後に急激に増加しました。また、(仮称)道の駅「出水」の建設及び運営(15年間)による経済波及効果は全体で約100億円、雇用者誘発数は約1,000人と算定しました。
両建設がまちへもたらす経済効果は、九州新幹線開通以来となる大きな追い風となることが見込まれます。
立地協定件数・設備投資額[累計]:約2倍[H28・R4比較]
経済波及効果:約100億円
雇用者誘発数:約1,000人
◆新しい風~企業~New Wind
追い風に乗り、現在市内では地元企業に加え、海外や県外の企業・法人などによる事業拡大の動きが広がっています。
◇日本進出
筑波科技 日本支店
日本支店代表 林建次氏
「弊社は半導体・通信分野の試験・検査や医療用情報システム開発などを手掛けている台湾企業です。今回、ツルの縁で出水市に日本支店を開設しました。今後、出水市内での研究センター建設も計画しています。」
◇再生・復活
湯川内温泉かじか荘
代表 山口貴史氏
「廃業していた湯川内温泉かじか荘を昨年7月に購入、翌8月に被災。全国の方々の温かいご支援を受け、今年4月再開できました。『奇跡』と言われる足元湧出が2か所もある国宝級の温泉を守り続けて参ります。」
◇新工場建設
マルイ食品株式会社
代表取締役社長 宇都浩司氏
「養鶏を事業の根幹とするマルイグループの将来を見据えるにあたっては、新野田工場の立ち上げは避けられないものでした。最新の処理施設で品質品位向上を目指します。地域との共生を掲げ、輸出等のグローバルな事業展開も目指します。」
◇新工場建設
株式会社 畑中食品
代表取締役社長 畑中宗洋氏
「親会社の大手食品メーカー『ニップン』が平和町に新設する冷凍食品製造工場の運営を弊社が行います。年間1億1,400万食を生産する国内最大級の新工場では、150人の新規雇用を見込んでいます。」
◆新しい風~新規創業~New Wind
◇新たな事業による活性化
企業に負けじと、個人による新規創業の相談や開業に伴う補助金の申請も活発に行われています。市内のどこにもない、全く新しい風を吹き込むことができる新規創業は企業とは異なる効果をまちにもたらしてくれます。
新規創業相談件数:108件[R6年度]
※出水商工会議所・鶴の町商工会の合算データより
◇薪火料理
KAI
大矢海氏
・全国の人がターゲット。
2年前、昭和町に薪火で調理するイタリア料理店を開業した神奈川県出身の大矢さん。高校卒業と同時に料理の世界へ飛び込んだ。東京の有名店で修行した後、知り合いのシェフの紹介で出水へ。高尾野にあるレストランで働き、4年後KAIをオープン。「ターゲットにしたのは全国の人たちです。」予約制に加え高価格設定。「自分自身への挑戦でした。」不安とは裏腹に、評判は瞬く間に広がり、開業から2年連続で名店の証であるTheTabelogAward『Bronze』を獲得した。現在、お客の半数以上を県外で占めている。「出水で開業した理由は、全ての食材が地元で揃うからです。バランス良く一流の食材が揃う場所は滅多にありません。出水で穫れる食材の凄さを伝えたいんです。出水市民だけではなく、全国の人たちへ。」
・夫婦の楽しみ
記念日などの特別な日に夫と利用させてもらっています。KAIさんの魅力は、出水で穫れる食材の美味しさが真っ直ぐに伝わってくるところです。ジビエも魚も、野菜もそう。季節ごとに変わる出水産の美味しさにいつも驚かされます。新しい出水の魅力を知ることができるこの時間は、私たち夫婦の楽しみになっています。
◇アトリエ[販売・教室]
Atelier COULEUR
坊木夕佳里氏
・絵を楽しみ、絵で救う。
1年前、緑町にアトリエを開業した埼玉県出身の坊木さん。高校から芸術を学び始め、大学院まで同じ道を歩んだ。絵を描くことが何よりも好きだった。その後、結婚を機に出水へ。出産、子育てと慌ただしい日々を過ごす。「あの頃は心に余裕がありませんでした。」虚無感に襲われる中、自分の好きなことをしようと思い、数年ぶりにキャンバスと向き合った。無心で楽しめる時間。絵を描き終えると、心が楽になっていた。「過去の私のように、心が疲れているお母さんたちはたくさんいると思います。私は絵を描くことで救われました。忙しい大人にこそ、無心で楽しめる時間が必要です。『描く』という表現の楽しさを一緒に共有し、無心で絵を楽しめる場所を創りたい。それが私の開業した理由です。」
・新しい自分
娘と教室に通っています。私自身、絵を描くことも見ることも全く興味がありませんでした。しかし、SNSをきっかけにアトリエへお邪魔した時、絵に見惚れている自分がいたんです。まさか私が、絵を家に飾るなんて思ってもいませんでした。坊木さんに新しい自分を見つけてもらいました。今では娘も私も、絵の世界に夢中です。
◆新しい風が、まちに活力を。
開業した2人のように、新規創業者がもたらす新しい風は、これまでにないアイディアや技術、サービスによりまちに革新をもたらし、人々の生活に楽しみを創ってくれる。
経済を活性化させ、人々の心を豊かにする新しい風が吹けば、まちは活力を取り戻す。出水には今、良い風が吹いている。
◆新規創業を考えている方へ
新規創業者を対象とした2つの補助事業で、新たなスタートをサポートします。
些細なことでも構いませんので、一度ご相談ください。
店舗の開設・改修補助[上限60万円]
店舗の家賃補助[上限5万円/月]
問合せ:商工労政課
【電話】63-4040