文化 シリーズ第10号 前略、市史編さん室より

■記憶や思い出から当時の様子をうかがう
本年は戦後80周年です。旧3市町の市誌・町史・郷土誌にはアジア・太平洋戦争中の人々の動きや戦火の状況や被害が記されています。開聞町郷土誌巻末の年表には戦時中の昭和20年7月3日・8月8日・8月11日の開聞方面での攻撃や川尻地区での損害について記されていますが、そこでは触れられていない8月8日の空襲で亡くなった中村敬二(なかむらけいじ)先生のお話を紹介します。このお話は中村先生のご子息である中村治人(はるひと)さんが寄せてくださいました。
開聞小学校で教壇に立っていた中村先生が亡くなった当時、幼かった治人さんは、父が空襲で亡くなったことを母から聞きました。治人さんは、その出来事を詳しく知ることができないかと開聞町郷土誌を開きましたが記述はなく、他の資料を探しました。『開聞町立開聞小学校創立100周年記念誌』(昭和51年)に中村先生の当時の同僚職員が書いた手記がありました。

※手記は本紙をご覧ください。

『戦後40周年記念誌 忘れないあの日あの頃』(昭和60年)には空襲から子どもたちをかばう中村先生の様子が書かれていました。2冊の史料にあった戦争当時の人の回想を通し、治人さんは、亡き父の姿を知ることができたのです。

歴史資料から見える市民一人一人の姿も集められたらと思います。回想や聞き伝えは当時の様子をうかがえる貴重な歴史資料となります。伝え残したい思い出・お話・資料などがありましたら市史編さん室までお知らせください。
・古い文書・絵・地図・日記・手紙など
・明治~昭和の風景や行事の写真・映像など
・市内の団体が刊行した記念誌など

2次元コードからも連絡できます
※2次元コードは本紙をご覧ください。

問合せ:市史編さん室市史編さん係