文化 いにしえの香り No.6 ~わが町の文化財紹介

「いにしえの香り」では、市で行っている文化財等調査保存事業などで発見された価値の高い新資料を、隔月で紹介しています。

■いちき串木野市の田の神様
▼表情豊かな五穀豊穣の神
「田の神」は春に山から下りて来て田の神様になると言われ、その後ろ姿から「男性」を現し、田んぼは「女性」であると考えられ五穀豊穣の神様といわれています。
市内の田の神像の特徴は、真ん丸な顔で手足が小さく、袖などの彫りが深いことが特徴です。また、本市や薩摩川内市でしか見かけることができない、男女2人が一つの石に並んで彫られている「一石並立田の神像」があることも特徴の一つです。
男はメシゲと飯椀を持って踊り、女は錫杖(※1)を持ち、怖い顔をしているので、災害がないよう祈っている巫女を現すと考えられています。
他に手に笏(しゃく)(細長い板)を持ち、頭には垂纓(すいえい)(※2)がある「神官型田の神像」があることも本市の特徴です。どうして、このような「田の神像」が作られたのかはっきりとはわかっていません。
みなさんの住んでいる地域にも「田の神像」があるかもしれませんので、探してみてはいかがでしょうか。

[注釈]
※1 僧侶や修験僧が持つ杖で、杖の先に錫製の輪がついていて、厄除け、災難除けとなる。
※2 平安時代に宮廷内で高位の貴族が着用した帽子のようなもの。

○文化財等調査保存事業について
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