くらし 島の四季彩 サルトリイバラ(サルトリイバラ科)

漢字表記:猿捕茨
別名:サンキライ(山帰来)
島名:カカラ(この仲間の総称)、マンジュウノハ(葉の用途による呼称)
分布:北海道~九州・琉球、東アジア
生育地:疎林や山地の林縁部
和名の由来は、「実の付いた蔓の仕掛けで猿を捕えるから」とか、「この蔓で猿を生け捕りにするから」とか言われています。蔓性の半低木で、枝には鉤状の刺が散生し、巻きヒゲがあり、他物に絡み、茎を伸ばします。雌雄異株で、開花は春、葉の展葉と同時で、黄緑色の小花を球状に多数つけます。雌株は晩秋~冬に球形の果実が赤熟します。島内の同属植物に、本種とサツマサンキライとハマサルトリイバラの3種がありますが、落葉し、実が赤熟するのはサルトリイバラだけです。いずれの種とも、葉を餅や饅頭を包むのに使いますが、島内でのサルトリイバラの利用はほとんどありません。赤熟した実のある蔓はリースなどの花材として利用されています。地下には塊茎があり、漢方の生薬とされます。
写真・資料提供:香月茂樹さん(元薬草試験場長)