くらし 島の四季彩 シュンラン(ラン科)

漢字表記:春蘭
別名:ホクロ
分布:北海道の一部~九州・大隅諸島、朝鮮・中国~ヒマラヤ西部
生育地:やや明るく乾燥した落葉樹の林床
繁殖:株分け、実生(困難)
観賞用の東洋蘭であるカンラン、ホウサイラン、キンリョウヘンなどと共に、シュンランも代表種のひとつです。主に落葉樹の腐植質の多い、やや乾燥する林床に生育し、高さ数10cmで、葉が硬く線形で束生する常緑の多年草です。春、落葉樹の芽が動き出す頃、葉の脇から花茎を伸ばし、その頂にふつう1個の花をつけます。花には、香りはほとんどありません。3個の平開した『三菱』のマークのようなものは萼で、花弁は、その内側に2個の側花弁と、中央の舌のように垂れている唇弁があります。唇弁には赤紫色の斑点があり、別名のホクロは、この斑点を人の顔にあるホクロに例えたものと言われています。塩漬けの花は、祝いの席などで、蘭茶として嗜まれることもあります。
写真・資料提供:香月茂樹さん(元薬草試験場長)