- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県中種子町
- 広報紙名 : 広報なかたね 令和7年(2025)5月号
令和7年度は、第一次産業の振興に向けた取り組みや、暮らしやすいまちづくりを基本に、高齢化率が年々高まる中、医療、介護、福祉など町民それぞれの世代、それぞれの生活環境において、健康増進を考える機会を設け、安心で充実し満足した生活ができるよう努めて参ります。
また、町民生活に必要な公共施設の長寿命化や交通の不便や危機を解消し、台風や豪雨などの浸水防止などに向けた道路や河川などの整備、本町の将来を担う子どもたちの新たな時代に向けた教育による心と健全な身体の育成、さらには全ての町民の文化・スポーツ活動、生涯学習などを通した幅広いふれあいや生きがいづくり、町内での購買意欲の向上に向けた商工業などの産業振興、観光やイベントなどを活用した交流人口の増大、移住定住の促進など各種施策を計画的に推進して参りたいと考えております。
そして、多様化する住民ニーズや地方分権に対応した行政推進を図り、行財政の健全化を常に念頭におき、時代に即した人材育成と職員の資質向上に努めるとともに、厳しい財政状況の中、国・県の各種事業や補助事業など、可能な限りその活用を行い、有効な施策の遂行に努め、健全な財政運営を基本に業務を遂行して参りますので、町民の皆さま、議会議員の皆さまのご指導・ご理解・ご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
中種子町長 田渕川 寿広
■まちづくり方針(要約)
○産業の振興
さとうきびについては、引き続き、植え付け、肥培管理、収穫作業などの受委託作業体制の強化と生産組織の育成、機械導入支援、土層改良などの推進を図り、栽培面積の維持を図ります。
澱粉原料用甘藷については、基腐れ病の被害による大幅な栽培面積の減少に歯止めをかけるため、引き続き、バイオ苗供給による優良品種の確保と振興会組織や澱粉工場との連携による支援策を検討して参ります。安納いもについては、ブランド推進本部を中心に、栽培技術および品質向上を図り、所得向上を推進します。
水稲については、超早場米の産地としてJA種子屋久と連携し、より多くの出荷・販売体制を確立し、生産性と品質向上、安心・安全でおいしい売れる米づくりを目指します。
園芸品目などについては、馬鈴薯や指定野菜に追加されたブロッコリーを中心に、安定した供給のため、海上輸送費の支援を引き続き行っていきます。
畜産については、肉用牛の生産性の高い繁殖経営を図るため、各種補助事業および資金制度の推進を図り、経営基盤の安定と強化に努めます。乳用牛は、町の貸付事業などを積極的に推進し、衛生的かつ良質な生乳生産を促進します。
水産業については、中種子町離島漁業集落活動促進計画を定め、資源回復のために漁協・ごんげん中種子集落と連携を図りながら効率的な事業を推進するとともに、有人国境離島交付金を活用して、魚介類の海上輸送コスト削減に取り組みます。
商工業については、町商工会と連携して地元店舗での消費誘導に努め、金融支援などを行いながら、地域商工業の振興を図ります。また、既存のポイントカードシステムの老朽化から次世代型システムへの移行に向け、商工会やスタンプ会などとともに、利用者増に向けた取り組みを行います。その他、地元特産品の開発および情報発信により販路拡大を推進するため、新たに「町特産品開発支援事業」を創設し、ふるさと納税返礼品の開発・活用をはじめ、特産品協会の活動の活性化に取り組みます。
観光業については、農林漁家でのグリーンツーリズム、総合運動公園を活用したスポーツツーリズムの活用、国指定の立切遺跡、古市家住宅、阿嶽川マングローブ林を活用した体験型観光、また、町民だれも気づいていない史跡や景勝地などをブラッシュアップし、進める新たな魅力ある観光地の造成など、地域おこし協力隊の活動とあわせて、島の魅力とともに情報発信を推進します。
○健康と福祉のまちづくり
「ともに支え合う共生・協働の福祉社会の実現」に向け、高齢者施策に関しては、高齢者が住み慣れた地域、住まいで安心して住み続けることができるよう、質の高い介護サービスや健全な介護保険事業、老人クラブ活動の活性化支援などを実施して参ります。障害者の社会参加と自立支援については、重度心身障害者などへの医療費助成事業の支援、「基幹相談支援センター」との情報提供など、他機関との連携を図っていきます。子ども・子育て支援については、こども家庭センター「りんく」を中心に、保健・医療・教育などの関係機関と連携し、妊娠期から子育て期にわたり、切れ目のない支援に努めて参ります。子ども医療費については、窓口負担をゼロとするほか、島外での受診への旅費などの支援を行います。
○地域活性化対策と定住促進
地域の活性化については、地域住民が主役の地域づくりや地域の創意工夫を活かした特色ある地域づくりを推進するため、引き続き地域再生交付金を交付します。また、地域おこし協力隊の活用や地域後継者の結婚対策を推進し、移住者・地域定住者の定住による地域の活性化に取り組むとともに、市街地を除く地域においての住宅を取得し定住する若年世帯への補助金も引き続き行います。
定住促進対策としては、これまで実施している「定住促進住宅整備事業」の補助上限額の増額を実施し、空き家の確保に積極的に取り組みます。