くらし 【特集】令和7年度施政方針(概略版)(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 鹿児島県伊仙町
- 広報紙名 : 広報いせん 令和7年4月号
はじめに、令和7年度は私が町長に就任してから24年目を迎えます。これまで、町政を担うリーダーとして「町民総参加のまちづくり」をスローガンとし、「住みたいまち日本一」の実現に向け、みなさまから頂いたご意見やご助言を政策に反映して、観光や農業をはじめとする地域産業の振興や子どもたちの未来を支える教育環境、子育て支援の充実、関係人口の創出など様々な課題に向き合い、全力で取り組んでまいりました。
本町の取り組みに対して、昨年11月石破茂首相の所信表明の中で、伊仙町が2回連続出生率日本一となったことを地方創生の成功例として紹介いただきました。これは本町の子育て支援の取り組みが評価された証であると考えております。
様々な行政課題を抱えながらも町政を進めることができましたのは、町民のみなさまや議員のみなさまのご理解とご協力、さらに一丸となってチャレンジを続ける職員の努力と支えがあったからだと感じています。心から感謝申し上げます。
今年度は、本町の将来の発展を展望し、長期的な視点に立った発展の方向と将来の目標を定めた「第6次伊仙町総合計画」及び「第3期伊仙町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の協議を進め、策定に向けて最終段階に入っております。本町が掲げる基本目標を柱とし、国・県・奄美群島、更に奄振法で追加された沖縄との連携を図りながら、地域の活性化や住民の生活向上、持続可能なまちづくりの実現に向けて、様々な施策を展開してまいります。
先ほど挙げましたが、昨年、奄美群島の振興を支えてきた「奄美群島振興開発特別措置法」を改正・延長いただき、その中でも「沖縄との連携強化」、「移住定住の促進」などの内容が追加・拡充されました。奄美群島の更なる発展に向けた取組みを引き続き支援いただいたことから新たな奄振法のもと、貴重な財源を活用し本町が抱える様々な課題などへ取り組んでまいります。
国におきましては「地方こそ成長の主役」との考え方に基づき、新たな地方創生施策を推進するため、地方創生推進交付金の強化や地方公共団体の創意工夫に基づいた地域独自の取り組みに対して強力に支援を図るなどとしています。
これらの国・県の動向を注視しながら、社会経済情勢の変化に柔軟に対応し、人口減少社会にあっても持続可能なまちづくりの実現に向けて地方創生の更なる推進を図ります。
それでは、町政運営に関する基本方針を踏まえて、令和7年度の主要施策を述べてまいります。
防災施策については、近年、九州近海を震源として南海トラフ地震の予兆かと思わせるような地震の発生が相次いでおります。本町においても安心安全な暮らしを確保するため災害に強いまちづくりのための環境整備を推進します。また、災害時の対応として、誰一人取り残さない持続可能なまちづくりを目指すため、町民と行政が一体となって自主防災組織の強化を図ります。
地方創生事業については、人口減少傾向の抑制と長期的に持続可能なまちづくりを目指すため、きめ細やかな施策が重要となります。将来的な移住定住につながるよう、様々な情報発信手段を生かして、町内外へ「観光資源」や「長寿・子宝」など町の魅力を発信するPR活動の拡充、ふるさと納税の情報発信力を強化し伊仙町のファンを獲得するなど、情報発信に力を入れ関係人口・交流人口の創出に取り組みます。また、昨年に続き、誰もが安心して安全に暮らすことができる住環境の整備、子育て支援、教育の充実など「集中から分散」の実現に向けて、離島の強みを伸ばすため更なる地方創生事業を推進します。
農業振興については、農業生産額60億円を目標とする中で、基幹作物であるさとうきびの単収向上や、県内産牛肉消費拡大・販促活動、園芸品目の生産振興、新規就農者支援及び新たな担い手の確保、農福連携・地力強化、園芸品目の振興などを項目とした様々な施策を講じています。その中でも農家の所得向上及び経営の安定を図るため、土づくりの推進に重点的に取り組みます。また、夏季の換金作物の開発として、さつまいも生産プロジェクトを実施し、沖縄向けの販路拡大に向けて取り組みます。
保健福祉・医療・介護分野については、高齢者や障がい者が住み慣れた地域で最期まで自分らしく地域で生活し続けられるまちづくりの実現に向け、介護従事者に対する待遇改善、住民主体の通いの場や地域サロンを含む介護予防教室の展開に向けて取り組みます。
子育て支援については、安心して子どもを出産し、健やかに育てられる環境づくりを推進するため出産祝い金の継続、保育士の待遇改善と療育に関する教育機会の確保で保育サービスの向上に取り組みます。教育分野については、子どもたちに誇れるまちづくりを目指すため、町内で活躍している団体・個人のスポーツ活動などへの多面的な支援の拡充、離島の強みを生かした学びの場の提供に努めます。
他にも日常生活を支えるための多岐にわたる計画や各種事務事業を基礎としながら、「子宝」「長寿」「自然」を柱とする本町独自の魅力を生かした人口増加施策を効果的に展開し、町民のみなさまの幸福度が上がることを切に願い、更なる町勢発展に向け、伊仙町議会と強力な連携をとり、政策実現を進めてまいります。以上、令和7年度の施政方針といたします。
伊仙町長 大久保明