- 発行日 :
- 自治体名 : 沖縄県西原町
- 広報紙名 : 広報にしはら 2025年3月号 No.637
■内間で発掘調査
現在、字内間集落内で、発掘調査が行われています。
この発掘調査を行っている場所は、「内間散布地No.1」(遺物散布地)(※(1))のすぐ近くであったことから、遺構や遺物が発見される可能性があると判断されたため、令和四〜五年度に、埋蔵文化財(※(2))の有無を確認するための試掘調査を行いました。すると、井戸の跡や柱の穴の跡と思われる遺構(※(3))やグスク時代から近世にかけての中国製の碗や皿等の破片といった遺物(※(4))が確認されました。このことからこの場所を遺跡「内間村跡」と名付けました。「内間村跡」のある場所は、内間の発祥地といわれる場所のすぐそばであり、古くから人が住んでいた可能性のある場所です。また、カヤブチ御殿やナコーモーといった、金丸(後の尚円王)の言い伝えの残る場所の近くでもあります。今回の発掘調査で、もしかしたらもっと明らかになることがあるかもしれません。
また、今月は発掘調査現場での説明会も予定しています。説明会の詳細は町ホームページ等で周知しますので、興味のある方は、是非お越しください。
遺跡は原則触らずにそのまま現地で保存されることが望ましいため、発掘調査の結果によっては、現地保存が可能なのか、開発関係者との協議が行われることになります。今を生きる私たちの生活に必要な開発と、遺跡の現地保存を両立させることは容易ではありません。なお、現地保存ができないなどのやむを得ない場合は、発掘調査の記録を取り、「記録保存」の形で残すこともあります。
西原町の地中にはまだ知られていない遺跡があるかもしれません。遺跡があることが分かれば、発掘調査を実施することで、西原町の過去の姿の手がかりが見つかるかもしれません。もし、土地を開発する予定がある場合は、必ず文化課文化財係まで埋蔵文化財の有無について照会していただきますようお願いします。(広報にしはら一二月号掲載の文化財コラム「埋蔵文化財とは」参照。)
※(1)遺物散布地…地表や地中に遺物が多くみられる場所。
※(2)埋蔵文化財…土地に埋もれている文化財。
※(3)遺構…土地に残る人の手が加わった跡。住居跡、火を熾した跡、石積み等。
※(4)遺物…遺跡から発見された人の手によって作られたモノ(土器や石器など)や、人が食べた後に残るかす(貝殻、動物や魚の骨など)。
お問い合わせ:文化課 文化財係
【電話】098-944-4998