くらし 地方のかがやき 高知県 日高村(2)

■日高村の取組 1 都市部の人と田舎をつなぐプラットフォーム
「いきつけいなか」

移住に興味がある人を対象にした地域お手伝い・求人サイト「いきつけいなか」を開設。サイトを運営する一般社団法人nosson(のっそん)代表の小野加央理さんは、「移住する人だけでなく、村の外から応援してくれる関係人口を増やすのがねらいです」と話します。令和4年に開設してからボランティアやイベント、地域おこし協力隊に参加した人は350人以上。ふるさと納税などの関わりも含めると、1,000人以上が村のCRM(顧客管理システム)に登録されています。「目標は、村の人口と同じ4,700人の関係人口を創出することです。」

■日高村の取組 2 挑戦する人をサポート 村独自の支援も充実
移住and子育て支援

少子高齢化が進む日高村では、移住促進プロジェクトを推進しています。平成28年度から、最長3年の地域おこし協力隊制度を導入。ビジネスのプロによる指導を受けながら、隊員同士で学び合える「寺子屋」制度を設けるなど、隊員の“やりたいこと”を応援する仕組みを整えています。
また、子育て世帯へのサポートも充実しています。一般的な子育て支援に加え、村独自の施策として「不妊治療費等助成事業」「乳幼児・児童医療費の助成」「5歳児発達支援」の3本柱を実施。妊娠中からこどもが成長するまで、切れ目のない支援を行っています。

日高村が独自に実施している支援策

■日高村の取組 3 日本初!スマホ普及率100 %への挑戦
村まるごとデジタル化事業

令和3年にKDDI株式会社、株式会社チェンジと包括協定を締結し、スマホ普及率100%を目指す自治体宣言を行いました。DX化促進の一環として、住民全員がスマホを持ち、日常的に活用できる環境が必要と考えたのです。
令和2年当時のスマホ普及率は64.5%。特に高齢者層では「必要ない」「使い方がわからない」「価格が高い」との理由から敬遠する人が多い状況でした。そこで、公民館や集会所などでスマホ教室を開催し、実質0円で購入できるキャンペーンを実施。その結果、スマホ普及率は85.5%(令和4年6月)へと大幅に上昇しました。現在は村民の3人に1人が村の LINE 公式アカウントや健康アプリを利用し、地域情報の取得や健康維持にも役立てています。

※事業開始前(令和2年5月)と令和4年6月のアンケート調査より算出開始前全住民を分母対象に算定

■きらきら! いきいき! 日高村のくらし

◇日高村地域おこし協力隊
ケルビー咲野さん
ケルビージョンさん

大学卒業後11年間スコットランドで暮らしていましたが、自然豊かで静かな環境に惚れ込んだ夫の希望で、私の故郷である日高村に移住しました。現在は夫婦で、クラフトビール醸造所設立に向けて奮闘中。皆さんが「ビールできた?」と声をかけてくれるのがうれしいですね。娘たちものびのびと育ち、土佐弁がすっかり上手になりました。

夫妻と長女、次女の4人家族。川で遊んだり花火大会を見たりと、村暮らしを満喫中。