イベント ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2025(1)

日時:6/21(土)~29(日)

■ADWへの思いを語る
実行委員長 森俊一(もりしゅんいち)さん×クリエイティブディレクター 山田明宏(やまだあきひろ)さん

▽ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2025 実行委員会実行委員長
森俊一(もりしゅんいち)さん
昭和42年旭川市生まれ。札幌の専門学校卒業後、商業施設や空間づくりに関わる企業に勤務し、その後デザイン事務所を設立。現在は日新運輸の代表取締役社長を務め、北海道中小企業家同友会道北あさひかわ支部では支部長を歴任し、地域企業間の連携強化や人材育成に取り組む。
本年度、ADW実行委員長に就任

▽ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2025 クリエイティブディレクター
山田明宏(やまだあきひろ)さん
昭和49年旭川市生まれ。平成12年、資生堂入社。平成22年より上海へ駐在し、中国でのクリエイティブ責任者を務める。令和2年に帰国し、現在は分社化により設立された資生堂クリエイティブにて、資生堂の様々なブランドのクリエイティブディレクターとして活躍。
昨年度に引き続き、ADWクリエイティブディレクターに就任

▽あさひかわデザインウィーク(以下ADW)の新実行委員長に就任された森さん、就任の経緯を教えてください
森:前実行委員長の渡辺さんとは以前からお付き合いがありました。渡辺さんは家具業界のイベントだったADWを、全産業、全市民向けに変えていきたいという思いが強かったんです。そのためにご自身がいったん退く決断をし、後任としてお声がけいただきました。私は運輸会社を経営していますが、元々はデザインの仕事をしていて、ADWにも関わりがありました。他の地域ではあまりないこの取組みはなんてすてきなのだろうと感じていましたので、お引き受けしました。

▽ロゴが一新された背景と思いについて聞かせてください
森:組織が変わったこと、ADWが10年目の節目を迎えることから、実行委員と話し合い今年からロゴを一新しました。
旭川市デザインシステムとの一貫性や柔軟性を持たせたいと思い、デザインの「D」に見立て、青の半円にアレンジしたロゴにしました。

▽今年ADWをどんなイベントにしていきたいですか?
山田:デザインを理解しようとすると、色や形の解釈にとらわれることがありますが、生活の中で人を幸せにしたり、楽しくしたり、豊かにしたりなど、たくさんの可能性があるのがデザインであると、僕は解釈しているんです。ただ、それを押し付けるイベントではなく、市民の皆さんには「なんかいいね、楽しいね」という体験の中から、デザインに対する「気付き」を感じていただきたいんです。
森:旭川市がデザインを活用する取組みの一翼を担うのが、ADWです。山田さんをはじめとして広い見知を持つ方のご協力で、デザインで気持ちが豊かになるようなイベントにしたいと思っています。

▽若い世代には、ADWの意義や魅力をどう伝えたいですか?
山田:若い世代の方々の感性やライフスタイルは非常に多様で、また時に感覚的で我々が刺激を受けることも多々あります。そのような方々にも自然にデザインに触れてほしいと思っており、デザインの押し売りになるようなことはあえて回避して、イベントを語るようにしています。例えば「あさいち」では、デザインという言葉での直接的なコミュニケーションを取らないようにしています。また、デジタル時代に対応するべく、今年からはSNSでの発信にも力を入れています。より今の時代の生活に即したかたちでADWに触れていただけるコミュニケーションを考えているので、構えずに「ADWって何?」というところから興味を持ってほしいですね。
森:大人たちが「このまちには何もない」と語ることに、若者が嫌気がさしているという現状もあると思います。彼ら彼女らや市民が地元に誇りを持てること。デザインってそのためにある、究極的にはそう考えています。

▽読者や来場者に向けてメッセージを
山田:「気付くことの大切さ」に気付いてほしいなと思います。日々暮らしている中で当たり前に起きていることにも、時には「なぜ?」と考えてほしい。「見えている」から「見ている」へ行動を変えてみる。その好奇心がクリエイティビティを育て、デザイン都市の個性や魅力につながるんですよ。好奇心のきっかけになるイベントとして、昨年より確実にパワーアップしているので、ぜひお越しください。
森:時代の変化とともに、ADWも10年目の節目で大きく変わろうとしています。皆さんにはデザインの力や気付きを体験してほしいと思っているので、ご参加いただきたいです。