- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道室蘭市
- 広報紙名 : 広報むろらん 2025年(令和7年)8月号
■友情人形
この40センチメートル程のかわいらしい人形は、世界的な不況や日本人移民排斥など日米関係が悪化する中、昭和2年(1927)、来日経験のある宣教師ギューリック氏が日本とアメリカの次世代を担うこどもたちに日米双方の理解と親善を深めるため、全米のこどもたちに寄付を募り、約1万2千体作られた「友情人形(青い目の人形)」で、日本側の受け入れを進めたのが渋沢栄一氏です。この人形は国際平和親善の人形使節として、アメリカのこどもたちから「ひなまつり」に合わせ日本のこどもたちに贈られました。
室蘭には、そのうち12体が同年4月22日に到着し、翌23日に室蘭女子尋常高等小学校(後の常盤小、現・みなと小)で歓迎会が行われました。しかし戦時中、敵性人形として多くが破壊されました。室蘭に唯一残る人形は、絵鞆尋常高等小学校(現・みなと小)に贈られたもので、当時破壊される前に校長から養護教員が預かり、戦後50年間保管していたものです。
室蘭に贈られた人形の、個々の名前は不明ですが、いずれかの人形に「エブレン」と名付けられていたことが、当時の新聞報道により分かっており、戦争の悲惨さと平和の尊さを伝えるものとして、現在、室蘭市指定文化財に指定され、市民俗資料館に展示・保管されています。
■おわりに
戦後80年が経ち、当時を知る人が少なくなり戦争の記憶が遠いものになっています。
道内一被害の大きかった室蘭では、今回紹介したものを含め、戦争中のことが多く語り継がれ、さまざまな形で戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えてくれます。私たち一人一人がその記憶を受け継ぎ、80年という節目に、あらためて平和への願いを胸に刻みましょう。
詳細:生涯学習課
【電話】22‒5094
■戦没者等の慰霊と黙とうを
◆室蘭市戦没者並びに艦砲射撃殉難者追悼式
案内状が無くても当日会場で受け付けできます。
日時:8月7日(木)11時(受け付けは10時から)
会場:室ガス文化センター
◆戦没者・原爆死没者の慰霊と平和祈念式典
各日、1分間のサイレンを鳴らします。
▽広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式
日時:8月6日(水)8時15分
▽長崎市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式
日時:8月9日(土)11時2分
▽全国戦没者追悼式(日本武道館)
日時:8月15日(金)12時
詳細:高齢福祉課
【電話】25-2872
■平和都市宣言
平和で安全な暮らしは、みんなの願いです。世界で初めての被爆国である日本は、核兵器を「もたず、つくらず、もちこませず」の非核三原則を守り、平和の尊さを世界に伝え、核兵器をなくしていかなければなりません。恵まれた自然を守り、平和で幸せな未来を子どもたちに引きつぐことは、戦争で多くの大切な命を失った室蘭市民のつとめです。
ここに、私たち室蘭市民は、戦争のない平和な世界を願い、明るく住みよいやすらぎのある市民生活を守るため、平和都市を宣言します。(平成11年2月26日制定)
■室蘭市平和都市宣言啓発事業(無料)
◆戦後80年特別展「戦争と平和展」
室蘭の空襲や艦砲射撃、戦時中の市民生活を関連資料で紹介します。また、期間中に学芸員が展示解説を行います。
展示期間:8月2日(土)~10月5日(日)10:00~12:00
展示解説:8月9日(土)11:00~12:00、14:00~15:00
定員:各20人程度
会場:民俗資料館
申込方法:当日会場で
詳細:生涯学習課
【電話】22-5094
◆戦跡写真等パネル展
市内各所に残る戦跡写真などを展示します。
▽モルエ中島
日時:8月10日(日)~17日(日)10:00~20:00
▽FKホールディングス生涯学習センターきらん
日時:9月2日(火)~12日(金)9:00~22:00
詳細:総務課
【電話】25-2215
◆戦跡巡り
午前は、防空壕跡や収容所跡、慰霊碑、午後は大黒島の戦争跡地を巡ります。動きやすい服装で、飲み物と昼食を持参してください。集合場所などの詳細は、参加者が決まり次第お知らせします。
※午後の大黒島は、階段や足元の悪い場所が多いため、健脚な人のみ参加できます。
日時:9月13日(土)9:00~16:00(小雨決行)
定員:40人(定員超えは抽選)
申込方法:8月1日から22日(必着)まで、参加者全員の住所・氏名・年齢・電話番号を記入し、郵送、または、ファクスかメールで(電話不可)
詳細:総務課
【電話】25-2215【FAX】24-7601
【E-mail】[email protected]
〒051-8511 幸町1-2