健康 誰でも参加できる 通いの場作りを目指して

いつまでも自分らしく、自立して生活するためには、健康なうちから介護予防に取り組むことが大切です。一人よりも仲間と一緒に社会参加することで介護予防の効果が高まり〝フレイル〟の予防につながるといわれています。今月は、市内で広がりを見せている通いの場と参加者の声を紹介します。

■通いの場ってどんなところ?
高齢の方が気軽に集まって一緒に体操やゲームなどで〝仲間づくり〟や〝生きがいづくり〟をしながら、住み慣れた地域で健康に過ごすために介護予防を行う〝自主活動の場〟です。

■フレイルって何?
加齢に伴い、筋力や認知能力が弱った状態のことをいいます。健康な状態と介護が必要な状態の中間的な段階で、進行すると要介護状態になることがあります。
※詳細は本紙をご覧ください

■フレイルを予防しよう!
栄養・運動・社会参加の三つの柱を生活に取り入れることで、進行を防ぎ健康な状態に戻すことができます。
栄養:毎日の食事は、筋肉のもととなるたんぱく質を多く含む食品や骨を強くする乳製品などをバランスよく取りましょう。よく噛むことも重要です
運動:少しの運動でも継続することで、何歳になっても筋力を維持向上することができます
社会参加:人や社会とのつながりを失うことが、フレイルの入り口です。人や社会とつながりを持つために、自分に合った社会活動を見つけることが大切です

■参加者・スタッフの声を聞いてみよう!
現在、市内には26カ所の〝通いの場〟があります。活動は地域の会館や施設などの身近な場所で行われ、参加者が自主的に運営しています。今回は昨年度立ち上がった2カ所の通いの場の声を紹介します。

○参加者の声
・回覧板や地域包括支援センターの紹介で参加してみたところとても楽しかった
・歩いて通える距離にあるので、参加しやすい
・体操をするようになってから、体がとても楽になった。全体的に体の動きも良くなったような気がする
・家でもできる体操なので、空いた時間にできるところがよい
・1人では続かないかもしれないけれど、みんなで集まってできるから続けたい
・1人暮らしなので声を出すことが減ってきたけれど、ここに来ると自然と笑うことができて、話しも弾むから元気になれる

○スタッフの声
・げんきアップ教室が終わるときに、そのまま解散するのが残念だったので、少人数で始めた通いの場ですが、現在は20人以上が参加するようになり、会場に入り切れず、断ることもありました。嬉しい悲鳴です
・通いの場に来て、自分たちも参加者と一緒になって楽しんでいます。みんなの顔を見て、笑ったり、話したりすることがとても楽しいです
・地域の一員として、何か自分にできる活動をしたいと思っていました。この場を作ったことで、みんなが集まれるようになったことが一番良かったと思っています。体操は自分自身のためにもなっています。参加者も現在の人数くらいを維持していきたいです

◆通いの場は、たくさんの専門職が支援しています。その中の一人、介護老人保健施設北翔館 理学療法士 後藤さつきさんに話を聞きました。
Q げんきアップ体操はどんな効果がありますか?
A 立ち上がりに必要な筋肉、歩行を安定させるための筋肉、階段の上り下りに必要な筋肉は何もしなければすぐに衰えてしまいます。げんきアップ体操は日常生活で大事な筋肉をしっかりと鍛えることができるのでとてもお薦めです。
Q これからの通いの場にどんなことを期待しますか?
A 現在、通っている方に継続してほしいのはもちろん、せっかくの良い活動なので、まだ参加していない方をどんどん誘ってほしいと思います。フレイルは社会とのつながりを失うことから始まるといわれているので、介護予防のために通いの場へ参加することはとても良いことだと思います。

■げんきアップ教室 ~フレイルを予防して、いきいき生活を~
運動、栄養・口腔、社会参加といったフレイル予防と認知症予防を体験しながら一緒に楽しく学びましょう。筋力アップの体操を毎回実施するほか、認知症予防レクリエーションも行います。
対象:市内在住の60歳以上で、すべての日程に参加できる予定の方
日程:9月19日から10月31日までの毎週金曜日(全7回)
時間:午前10時から正午(初日は午前9時30分から)
場所:上幌向地区多目的研修会館(上幌向北1-4)
定員:20人(申込順)
持ち物:筆記用具、運動靴、飲み物、タオル
申込先:9月3日(水)までに、岩見沢市地域包括支援センターへ

通いの場を立ち上げて、フレイルを予防しませんか。立ち上げ後は地域包括支援センターが6カ月間サポートするので、気軽にご相談ください

問合先:岩見沢市地域包括支援センター(高齢介護課内)
【電話】25-4649