- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道網走市
- 広報紙名 : 広報あばしり 2025年4月号
■基本方針
◇市政を取り巻く環境
政府は、令和7年度予算は令和6年度補正予算と一体として、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」へ移行するための予算と位置づけ、物価上昇を上回る賃金上昇の普及・定着、地方創生2.0の起動、官民連携による投資の拡大、防災・減災、国土強靭化、充実した少子化・こども政策の着実な実施など、メリハリの効いた予算を通じ、新たなステージへの移行を目指すとしています。
また、「経済財政運営と改革の基本方針2024」では、引き続き経済・財政一体改革を推進するが、「重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならない」とし、「経済あっての財政」の考え方の下、生産性向上、労働参加拡大、出生率の向上を通じて潜在成長率を高めるとしています。
国の令和7年度一般会計予算は、過去最大の規模となる115兆5415億円となり、税収も過去最高の78兆4400億円と、前年度当初より、約8兆8320億円の増加となりました。
一方、公債依存度は24.8%と改善傾向にあるものの、債務残高はGDPの1.8倍と依然として高い水準にあり、国の厳しい財政状況に変わりはないものと認識しております。
◇当市の財政状況
当市の財政状況は、これまでの行政改革の取り組みにより、財政の健全度を示す財政指標は改善基調にあり、また、ふるさと寄附の支えにより、一定の基金残高を維持しております。
歳入は、賃上げによる所得増を受け、税収増が見込まれるところです。
一方、歳出では、物価高により全体的に経費が増加する中、子育て支援の充実や地域の活性化、地域医療や地域公共交通の維持・確保、公共施設やインフラ施設の老朽化対策など、さまざまな市民ニーズに対して、財政規律も保ちながら取り組むことが求められています。
令和7年度の一般会計当初予算は275億7722万5千円で、対前年度比マイナス7億6515万4千円、2.7%の減、6つの特別会計は総額で94億7167万2千円、対前年度比マイナス1億618万4千円、1.1%の減となりました。
また、公営企業会計は3つの事業会計の総額で49億5323万3千円、対前年度比マイナス9186万2千円、1.8%の減となったところです。
■今年のまちづくりについて
令和7年度は、地域医療や地域公共交通の維持確保、子育て支援の充実、人材の確保、地域経済の活性化など、総合計画を基本として5つの観点からまちづくりに取り組んでまいります。
◇ひとにやさしく、ひとを育むまちづくり
1つ目は「ひとにやさしく、ひとを育むまちづくり」です。
地域医療では、通院困難者や医師の負担軽減を図る医療MaaSについて、参画医療機関の拡大に取り組むとともに、引き続き、救急医療体制の維持と開業医の誘致に努め、医療提供体制の充実を図ります。
また、従前の「あばしり健康マイレージ」は「あばしり健康ポイント」に改め、参加対象年齢を拡大するとともに、新たにアプリを導入し、自身による健康状態の把握、運動の習慣化を図るほか、引き続き、不妊治療への助成、妊婦と産後の母子に対する支援、健康診査を実施し、市民の健康維持に努めます。
50歳以上のワクチン接種を推奨している帯状疱疹は、定期接種化に伴い接種費用の助成を拡大し、接種の勧奨に努めます。
老朽化が進む網走市総合福祉センターは、旧道立高等看護学院への移転に向け、施設改修の基本設計に取り組みます。
子育て環境では、こども発達支援センターの移転による環境の改善に加え、感覚統合室を新設し、療育機能の強化を図ります。
また、新たに、盲学校と連携した視覚に関する相談体制を構築し、安心して子育てできる環境整備に取り組むほか、子育て世帯の負担軽減のため、高校生までの医療費、小中学校や認定こども園等の給食費の無償化を継続します。
人材の確保では、看護師、介護従事者、障がい福祉従事者の復職に向けた支援に加え、新たに、保育士へも復職支援金を給付します。
学校生活では、児童生徒や保護者に寄り添った適切な対応のため、スクールカウンセラーによる相談体制を充実させるとともに、解決困難な課題に対して各分野の専門家が組織的に対応できるよう、新たに、スクールソーシャルワーカーを配置するほか、特別教室へ電子黒板を整備し学習環境の充実を図ります。
このほか、市内に在住する外国人が、網走の歴史や文化、魅力を学ぶツアーを実施するほか、日本の文化や食文化の体験を通じて市民と交流する機会を創出します。
◇グリーンなまちづくり
2つ目は「グリーンなまちづくり」です。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、市民や事業者を対象としたセミナーの開催など啓発活動に取り組むほか、あばしり電力の取り組みでは、NGKオホーツクでの太陽光発電を開始するとともに、さらなる事業展開を図ります。
また、公共施設や公園の照明のLED化を進め、再生可能エネルギーの利用促進と省エネルギー化に努めます。
加えて、森林の環境保全機能の維持のため、植林や伐採など計画的な整備に努め、「こまば木のひろば」では、枯死木の伐採により森林機能の回復を図るほか、森の家や散策路の改修、駐車場の整備など環境整備に取り組み、治山と保健の機能を併せ持つ多目的保安林としての機能の維持を図ります。