- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道網走市
- 広報紙名 : 広報あばしり 2025年4月号
第1回定例会で、水谷市長が説明した令和7年度の市政執行方針を要旨として紹介します。
具体的な主要施策については、全世帯へ配布予定の「ことしのまちづくり(予算概要書)」でお知らせします。
■はじめに
令和7年網走市議会第1回定例会において、予算をはじめ関連する議案をご審議いただくにあたり、市政執行の所信と施策の概要を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
第2期網走市まち・ひと・しごと創生総合戦略も最終年を迎え、今年度は第3期の戦略が始まる年となります。従来より、戦略を遂行する主体は市民一人ひとりであり、経済社会の大きな流れを掴み、全国の個々の地域ごとに自ら考え、それを練り上げていくものとなります。
国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、日本の人口減少を止めることは難しく、コロナショックで、この間の人口動態は約20年早まったことが示されています。出生数、合計特殊出生率、婚姻件数、結婚予定者割合、いずれも減少や低下し、昭和22年、第1次ベビーブームで約270万人だったものが、昨年では70万人を下回るとされるなど、人口減少が進んでいる現実があります。
このことは、網走市においても例外ではありません。シュリンクという不都合な事実は、人口増加を前提とした制度設計ではない、人口減少によるインパクトの緩和と、日本の経済および社会のあり方を変革する好機と捉えるべきものではないかと思います。
やがて世界的に、特に先進国で人口減少局面に入ることを考えると、このことは、人口減少先進国である日本が世界をリードする道でもあり、日本全体が人口減少下にあっても、要因はさまざまあるものの、GDP、個人消費、企業経常利益、国の税収などは増加しているのも現実です。
こうした現況下において、我がまちの利益を喪失しない方策を考え抜き、関係機関、団体など多くの皆様と課題を共有し、より一層の連携を図りながら、市政の懸案事項や課題に機敏かつ柔軟に対応してまいります。
当市においては、働く人材の確保は喫緊の課題であり、地域医療を支える看護師や社会インフラを担う技能者の育成、職場の環境改善に取り組む事業者への支援、新規就職した方への奨励金の支給対象年齢の拡大、看護師、介護従事者、障がい福祉の人材の復職支援や、事業者が行う社宅整備への支援などを実施してきたところであります。
最近の物価の高騰に対しては、市民の日常生活の下支えという観点から、住民税非課税世帯への支援金の給付や、所得税・住民税所得割の定額減税、低所得者世帯への暖房用燃料の支援、市内の登録店で使用できるクーポン券の全世帯への配付、これに加え、子育て世代の負担軽減の観点から、ゼロ歳から高校生までの医療費の完全無償化、1歳までの乳児へのベビー用品購入クーポン券の進呈、小中学校に加え認定こども園、幼稚園、保育園の給食費の無償化を実施してまいりました。
また、自治体新電力会社「あばしり電力株式会社」においては、令和5年から発電を開始した潮見発電所に続き、他の3カ所の発電所において発電が始まり、加えて、本年6月には、NGKオホーツクの発電所も発電を開始いたします。
こうした取り組みにより、市の公共施設で消費する電力の約1割を、再生可能エネルギーへ置き換えられるものと考えており、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、確かな歩みを進めてまいります。
10回目を数えたオホーツク網走マラソン大会は、全国各地から過去最高の約2800名のランナーが初秋の網走を駆け抜け、東京農業大学の学生をはじめ、市民ボランティアなど多くの皆様のご協力のおかげで、ランニングポータルサイト「RUNNET」において、3年連続の全国1位となりました。改めて、運営に携わってくださった皆様に感謝を申し上げます。
新庁舎建設の議論も平成25年から始まり、さまざまなご意見を賜りながら、令和7年2月25日より業務を開始しました。これを契機として、市民の皆様に親しまれる、より一層、便利になったと思っていただける行政運営に努めてまいります。
今後も引き続き、誰もが健康で安心して暮らし続けられるまちの実現に、全力で取り組んでまいります。