- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道滝川市
- 広報紙名 : 広報たきかわ 令和7年9月号
◇12月2日
・14時40分
市内江部乙町の果樹園内でヒグマのものかもしれないフンを発見したと、住民から市役所へ通報が入る。
・15時05分
通報者、市職員、警察官で現地を確認。果樹園内に多数の足跡と複数のフンを発見。近くには野生の姫リンゴの木が自生し、その枝は折られ、近くには姫リンゴが混じったフンも確認された。
さらに足跡を追うと、隣家でも足跡、フンが発見された。
・16時05分
猟友会ハンターが現地到着。ヒグマが餌場と認識し果樹園に侵入していると想定され、危険性が高いと判断。警察は周辺への注意喚起の訪問とパトロールを、市はチラシ配布やSNS等で市民周知を実施。
翌日早朝、ハンター4~5人体制で警戒パトロールと痕跡調査を行うことを決定。
◇12月3日
・6時30分
猟友会ハンターによるパトロール・痕跡調査でさらに広範囲にヒグマが移動していることが確認できたが、ヒグマの行方を追うことはできなかった。
警察にさらに広範囲でのパトロールを依頼。
・10時00分
誘引物となっている姫リンゴの樹木を伐採。同じころ、自主的にパトロールを行っていたハンターが江部乙墓地で足跡を発見。再びハンターを招集。
・10時30分
猟友会ハンターによるパトロール・痕跡調査の実施。
・12時45分
注意喚起看板を10か所に設置。また、センサーカメラ2台をリンゴの木に設置。
・13時00分
配布範囲を拡大し、注意喚起チラシを配布。
・15時00分
猟友会ハンターによるパトロール・痕跡調査の実施。
◇12月4日
・午前
ハンターが巡回中に、果樹園から少し離れた場所でヒグマの足跡を発見。足跡の行方を追い、周辺の畑にヒグマが侵入していることを確認した。所有者の了承を得たうえで捜索したところ、ヒグマを発見し、銃器により捕獲を行った。
◇12月5日
センサーカメラを撤去し確認したところ、カメラ設置後4度にわたりヒグマが果樹園および隣家へ出没していたことが判明。捕獲した個体の胃の残留物や、現地の足跡の大きさなどから、同一個体である可能性が高いと判断し、対応を終了。
■INTERVIEW
鳥獣被害対策実施隊(北海道猟友会滝川支部滝川部会)
松前 進さん
見つかった足跡からも、大きな個体と推測され、いつか人間に危害を及ぼす恐れがあるのではないかと感じていました。狩猟期間中※だったので、狩猟とパトロールを兼ねて、自主的にヒグマを捜していたところ、真新しい足跡を見つけ、追跡し捕獲を行いました。
市から要請があれば、早朝から1日に何度も警戒パトロールを行うこともあります。要請が無くても、誰かがけがをしたり、被害に遭ったときに、後から後悔はしたくないという思いから、時間の都合が付くときはできる限りのことはしようと思っています。
ハンターになった使命というと大げさかもしれませんが、常にそういう気持ちを持っています。
※狩猟鳥獣の保護を目的とし、狩猟期間が定められている。それ以外の期間は、有害鳥獣駆除目的で許可を受けた場合のみ捕獲を行える。