くらし 【特集】ヒグマとの事故に遭わないために(3)

■鳥獣被害対策実施隊
市ではヒグマ対策体制を整備するため、令和6年4月に「滝川市鳥獣被害対策実施隊」を設置。
実施隊は、北海道猟友会滝川支部滝川部会から推薦されたハンターと市職員で構成されています。令和6年度の4人体制から、今年度はハンター15人、市職員5人の20人に増員し、さらなる体制の整備を図っています。
ヒグマとの事故を防ぎ、被害を抑制するため活動しています。

■ヒグマ出没想定机上訓練
令和6年10月に市と滝川警察署、北海道猟友会滝川支部滝川部会で、ヒグマの出没を想定した机上訓練を実施しました。
訓練は市街地にヒグマが現れた想定で行われ、これまでの経験も踏まえながら、初動対応や対応方針の決定などをそれぞれの立場から確認し合いました。
事前の訓練が、実際のヒグマ対応に役立てられています。

■ハンター育成支援補助
新たなハンターの担い手育成支援を行い、有害鳥獣による被害の防止対策を推進するため、猟銃免許や鉄砲所持許可の取得費用、猟銃やロッカー購入費用の一部を補助します。

◇INTERVIEW
制度を活用しハンターとなった
三宅 一平さん
もともとアウトドアが好きで、狩猟には興味がありました。
整骨院を営んでいるのですが、患者さんに猟銃免許を持っている方がいて、いろいろ話を聞き、自分もハンターになりたいと思うようになりました。後継者不足も聞く中で、有害鳥獣の駆除で地域貢献できるのも魅力でした。
昨年8月に狩猟免許を取得しましたが、手続きや費用面からもハードルは決して低くありません。それでも、自然と対話をし、命を頂くことの尊さを学び、狩猟の大変さも実感し、ハンターになって良かったなと思っています。
今はハンタークラブに入会し、いろいろと勉強をさせてもらっています。まだハンターとしては未熟ですが、将来は実施隊として貢献できる機会があれば、ぜひ活動したいと思います。

問合先:くらし支援課
【電話】28-8013

■ヒグマと出会わないために
ヒグマと出会ってしまった場合の対処を知ることも大切ですが、ヒグマとの事故を防ぐには「出会わない」ことがなによりも大切です。出会わないためにできることを行いましょう。

◇住宅地編
・ごみのマナーを守る
ヒグマの餌となるごみの放置は禁物。収集日以外のごみ出しなどはやめましょう。

・ヒグマの手が届かない対策を
食べ物をヒグマの手の届くところに置かないのが基本です。ごみ箱などもヒグマが開けられないように工夫をしましょう。

・草刈りをする
ヒグマは身を隠せる、背の高い草や茂みを好んで移動します。草刈りを行い、ヒグマの通り道を作らないことが大切です。

・電気柵の設置が効果的
畑や家庭菜園など、一度農作物の味を覚えてしまうと、繰り返しやってきます。電気柵を設置することで、作物に近づけないようにします。

・放棄果樹を片づける
ヒグマはとても嗅覚が優れています。管理していない作物などは撤去し、ヒグマを引き寄せる原因を無くしましょう。

◇ハイキングや山菜採りなど 野山編
・音を出す
クマ鈴をつけたり、声を出したり、ヒグマに人の存在を知らせましょう。クマ鈴や笛は「持つ」だけではなく、「音を出す」ことが大切です。

・一人で行動しない
ヒグマとお互いの存在が気が付きやすくなります。もしものときも、助けを呼ぶなど、命を失うリスクを下げることができます。

・「意識」と「知識」を持つ
フンや足跡を見つけた時はすぐに引き返すなど、ヒグマに出会わないための緊張感を常に持ちましょう。いつヒグマに会ってもおかしくないという意識が大切です。

全国的にもクマによる被害が続くなか、どの対策も〝あたりまえのこと〟と感じるかもしれません。しかし、日常のあたりまえのことが、何よりも大切です。
一人ひとりの行動が自分や家族、他人の命も守ることにつながります。
日ごろから、ヒグマに会わないための行動を取るようにしましょう。