文化 「炭鉄港」って、なに? その11

■「炭鉄港はまちづくり」
「今あるモノで、今ないコトをする」というのが、日本遺産「炭鉄港」を発展させてくための大切なスタンスというお話を先日、炭鉱の記憶推進事業団の平野義文(ひらのよしふみ)理事長から伺いました。
文化財の保存はもちろんですが、それを生かして、地域を活性化させていくことも大切な「炭鉄港」の活動と言えます。
つまり、本市や、炭鉄港に加盟している市町イコール旧産炭地のこれからの「まちづくり」と「炭鉄港」の活動はぴったりと重なるものです。
「今あるモノ」とは、旧上歌会館(悲別ロマン座)など炭鉱の産業遺産だったり、炭鉱がにぎやかだったころの皆さんの記憶というモノ。
では「今ないコト」とは、例えば旧上歌会館(悲別ロマン座)という72年前の映画館という建物を使って、今まで行われなかったようなコンサートや講演会を開催するコト。
また、皆さんの古い記憶を記録に変え、まとめて1冊の本にしていくコトなどの新たな取り組みも、「今ないコト」です。
これらを実行して生かし、交流人口を増やしていく、これはまさに「まちづくり」そのものです。
そのために大切になってくるのは目先の利益にとらわれず、まずはしっかりと自分が暮らしているまちの過去の歴史文化を知ることではないかと思います。このまちには何があって、何がなかったのか。それを知ることがまちづくりの第一歩、炭鉄港を知るコトの第一歩でもあります。
炭鉱が衰退したころに何の文脈も歴史背景もなしに、場当たり的な「テーマパーク」があちこちにできては、はかなく消えていったのを覚えている方も多いのではないでしょうか。自分が住んでいるまちのことをよく知るということは、自分の暮らしの足元をしっかりと固めるということです。そこから、未来のビジョンを描くことができると思います。
今なら、まだ間に合う。本市の「炭鉄港」の活動が「まちづくり」と連動していくことをオール歌志内で考えていきましょう。

(歌志内市地域おこし協力隊・石井葉子)

■「炭鉄港3Days Weekender」が開催されました
10月11日(土)、12日(日)、13日(月)の3日間、炭鉄港推進協議会主催による炭鉄港イベントが開催され、本市では1日目に市が共催で「炭鉄港は冒険だ!歌志内ふしぎ発見!ツアー」、2日目に「炭鉄港ディープツアー」、3日目にピリカウォークが市内ボランティア団体ウタピリカの共催により行われました。
イベントには市内外から多くの参加があり、ガイドを務めた鉱山研究家の高木明人(たかぎあきと)氏や多知光弘(たちみつひろ)氏のくわしい解説を受けながら市内の炭鉱遺構を巡った参加者からは、次回もぜひ参加したい!といった声があがっていました。