- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道富良野市
- 広報紙名 : 広報ふらの 2025年9月号 No.768
■高血圧の疑問に答えます(2)
・保健師です
今回は、高血圧と生活習慣に関する疑問についてお答えします。
◇Q1 なぜ、塩分をとりすぎると血圧が上がるの?
◇A1 人間の血液中の塩(ナトリウム)の濃度は0.9%です。塩を多くとると、体は塩の濃度を0.9%にするために水を要求します(のどがかわきます)。水分を多くとると血液量が増え、血圧が上がります。また、腎臓で余分な塩を体外に排泄するホルモンの働きも悪くなり、塩がたまりすぎて血管に負担がかかり血圧が高くなります。腎機能が低下している人や高齢者は、とりすぎた塩を尿中に排泄する能力が低下しているので、塩のとりすぎによる血圧上昇が大きくなります。(食塩感受性高血圧)
◇Q2 なぜ、体重が増えると血圧が高くなるの?
◇A2 体重が増えて脂肪細胞が大きくなると、インスリンの効きを悪くして「高インスリン状態」になり、血管が広がらなくなったり、血管の壁が厚くなって、血圧が高くなります。また、腎臓で塩を再吸収するホルモンが活発になり、塩が体外に排泄されず、血圧が高くなります。
◇Q3 生活習慣の修正だけで、血圧は下がるの?
◇A3 1日塩分6gの減塩食を4週間続けた高血圧患者で収縮期血圧(上の血圧)が平均7mmHg低下したという報告があります。メタボリックシンドロームを合併した高血圧患者では、3%以上の体重減少した場合、収縮期血圧が4.5mmHg、拡張期血圧(下の血圧)が3mmHg有意に低下したという報告があります。生活習慣の修正による降圧効果は個人差が大きいですが、生活習慣の修正のみで降圧目標が達成されることもあります。
◆生活習慣の修正項目
(1)1日の食塩摂取6g未満
(2)野菜を多くとり、脂肪の多い食品を控える
(3)適性体重(BMI25未満)を維持する
(4)有酸素運動を毎日30分または週180分以上行う
(5)お酒は日本酒1合/日(女性は半分)までにする
(6)禁煙する