くらし UPDATE!!地域おこし協力隊(revitalize the community)

今月の担当:布廣(観光振興推進員)

■北海道と「伝統的七夕」
年に一度、織姫星(織女)と彦星(牽牛)が、天の川を渡って逢うことができるとされている七夕の日…。日本のほとんどの地域では7月7日ですが、北海道では一部の地域を除いて8月7日が主流となっています。
なぜ、このような1ヵ月のずれがあるのでしょうか。それは、日本のカレンダー(暦)の歴史が関係しています。
中国から日本へ七夕の伝説が伝来したのは、一説では奈良時代だとされ、それと日本に元々あった棚機津女(たなばたつめ)という信仰が混ざり、現在の七夕の物語ができたとされています。この頃の日本では、太陽と月の動きを組み合わせた太陰太陽暦(旧暦)というカレンダーが使われていました。旧暦では1年間を24等分した「二十四節季」という考えのもと、その中の一つである「処暑」(現在の8月23日ごろ)より前で最も近い新月の日を7月の初日とし、そこから数えて7日目を七夕の日としていました。
しかし、明治6年からは太陽の動きだけを目安にした太陽暦(新暦)というカレンダーに切り替わったため、日にちの決め方が変わりました(旧暦の7月7日は新暦の8月ごろにあたります)。この時、日本のほとんどの地域では新暦の7月7日を新たに七夕としましたが、北海道の一部を除いた地域では旧暦を尊重し、かつ、ちょうど1ヵ月後となる8月7日を七夕としたのです。
現代のものと区別をするために、旧暦の七夕は「伝統的七夕」と呼んでいます。ただ、地球から見たときの太陽と月の運動周期には一定の関連性がないため、現代では伝統的七夕の日にちは毎年異なっています。2025年は8月29日、2026年は8月19日、2027年は8月8日…といった具合です。
8月の夜の早い時間には、南の空高くで織姫星ことベガ(こと座の1等星)と彦星ことアルタイル(わし座の1等星)が輝いて見えます。新篠津村からだと、月明かりの影響がない日であれば、この二つの星の間を天の川が通っている様子を見ることができるでしょう。元来の七夕の時期に星の輝きを眺めながら、古代より伝わる二人の愛の物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。