- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道知内町
- 広報紙名 : 広報しりうち 2025年4月号
3月に行われた第1回町議会定例会で、西山和夫町長、堂下則昭教育長がそれぞれ令和7年度の執行方針を述べました。今後のまちづくりの方向性や取組みについてお伝えします。
■はじめに
令和7年第1回知内町議会定例会の開会にあたり、新年度の町行政執行に臨む基本方針と施策を申し述べさせていただきます。
令和6年度は、国内外で経済・社会情勢が大きく変動した一年でありました。円安や物価高騰が続き、エネルギー価格の上昇は家計や事業活動に影響を与え、また、各地で地震や豪雨などの自然災害が相次ぎ、改めて防災対策の重要性を痛感した一年でもありました。
知内町においても、地方財政の厳しい状況や人口減少といった課題に直面するなか、地域の活力を維持し、住民の皆様が安心して暮らせる環境を整えるための取り組みを進めてまいりました。
新年度についても、地域の実情をしっかりと踏まえつつ、各種施策を進めてまいります。
農業では、昨年は実り多い年となりましたが、新函館農業協同組合による広域トマト共選施設整備再編などの課題のほか、国の水田政策の転換等による地域農業への影響等について引き続き注視してまいります。
また今年度は、これまで地域おこし協力隊として研修を重ねてきた研修生が新たに新規就農者としてトマト栽培に挑みます。農地の確保など円滑に就農できるよう支援してまいります。
水産業においては、老朽化したウニ種苗生産施設の建て替えを計画しており、令和8年度の着工を目指しています。この新施設は、道東の赤潮被害による深刻な資源減少を補うなど、ウニの安定供給に重要な役割を果たすものと期待されています。漁業者の経営安定化は勿論、道内の資源維持にも大切な役割を果たしている重要な施設として期待されます。
また、新たな資源として現在2シーズン目に入っているトラウトサーモン養殖につについては、事業者による長期的プランをもとにトラウトサーモン生産日本一の町を目指して連携強化に向けて協議を重ねます。
観光分野については、知内町の豊かな自然環境や歴史・文化資源を活用した観光振興策を推進します。若者の感性を最大限発揮して頂き、観光ルートの整備や観光施設の充実、イベントの開催を通して地域の魅力を発信し観光客の誘致を図ってまいります。
森林・林産業については、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るため、林業経営の意欲の低い小規模な森林所有者の経営を、意欲と能力のある林業経営者に繋ぐことで林業経営の集積・集約化を図ると共に、経済的に成り立たない森林については、町が自ら経営管理を図るなど新たな森林管理制度の活用に努めるものとします。
141年の歴史を持つ涌元小学校は、令和6年度をもって閉校し、知内小学校に統合される予定です。昨年11月10日には、在校生や地域住民、同窓生ら約190人が参加し、閉校式と「思い出を語る会」が開催されました。
旧小学校(涌元小学校)については、知内高校の二間口確保を図る環境整備として野球部寮と室内練習場も兼ね備えた一体型の施設として、令和8年度に向けて更なる生活環境と練習環境の充実を目指してまいります。
青少年交流センターは、地域みらい留学により入学する生徒等が成長を実現するチャレンジの場として、また、高校生活を通じて都会ではできない成長を実感して頂ける場として活用することで、今後の生徒募集効果が高まることを期待しております。高校生から助言があった「知高の衰退は地域の衰退につながる!」そうならないように魅力ある知内高校にしてまいります。
水道事業の計画変更については、令和6年度中に認可になります。今後上下水道の耐震化や長寿命化も含め修繕計画が進むものと考えております。
知内消防署庁舎については、移転新築に向けて実施設計に着手してまいります。昭和50年に建築された現在の庁舎は老朽化と耐震性能の不足が指摘されており、更には洪水浸水想定区域内に位置しています。安全・安心なまちづくりに欠くことのできない防災拠点として課題を解決するため、元町地区へ移転新築を進め、令和8年度の着工、令和10年度の完成を目指してまいります。国道228号線中の川地区の浸食対策として、町道元町中の川線を迂回路として活用するための整備に着手しております。今年度も設計・調査を進め引き続き早期完成を目指してまいります。
ふるさと納税は、各種事業を展開するうえで大変貴重な財源となっております。今年度は昨年に続いて5億円を越えることは出来ませんでしたが、令和7年度に目指すは5億円突破であります。地元ならではの特産品を強化するとともに情報発信の強化も欠かせません。地元企業との連携を強化する、寄附金の使い道を明確にして共感を得る、イベントを開催するなど、更なる展開について議論を深めてまいります。
現在、我々を取り巻く環境は、少子高齢化の進行、頻発する自然災害、急速に変化する社会経済、雇用の確保など様々な課題に直面しております。
知内町もこうした影響を受けており、これら課題に対処していくためには、新たな地域資源の進化と継続的な発展を重要な柱として育てていく必要があると考えております。
特に現在、30代40代の若者が中心となり、知内町の覚醒に向けて奮闘しております。若い世代が持つ柔軟な発想や行動力を活かすことで地域の魅力を更に引き出す原動力となります。次世代が住み続けたいと思う地域づくりを目指し、すべての世代が互いに助け合い、誰もが安心して暮らせる豊かな町を作り上げてまいります。
今年度は8つの重点施策を掲げしっかり皆さんと共に歩みを続けたいと願っております。
次に、本年度の重点施策について申し上げます。