子育て 令和7年度知内町教育行政執行方針(4)

4.選ばれる町立高校を目指して
知内高校においては、「協力する力、考え抜く力、行動する力」に代表される「知高生に身に付けさせたい9つの資質・能力」の向上を図り、学習や学校行事・生徒会活動・部活動等を通じて、次代を担う人材に求められる「正解のない問いに挑戦する力」を育む教育活動の充実に取り組んでまいります。
地域が抱える課題に着目し、地域社会の持続的発展や価値創出に貢献する資質・能力を育む「地域創生学習」では、町内企業と連携したインターンシップやソクラテスミーティング、高校生×議会、SDGs学習、防災学習などを通じ、生徒自らが魅力ある高校づくり・町づくりに参画する取り組みを推進してまいります。さらに、これら「探究的な学び」の質を深めるため、デジタル教材「インスパイアハイ」を導入し、多様な生き方や価値観、国内外の社会課題を主体的に学ぶ機会を提供します。これにより、生徒の多様性を尊重する力、課題発見力、情報活用力を高め、地域創生の核となる人材としての基礎力の育成を進めてまいります。
海外見学旅行及び海外短期留学支援事業については、生徒の国際理解を深めることで視野を広げ、進路を拓くとともに地域創生へとつながる本校ならではの特色ある教育機会として、引き続き実施してまいります。
少子化社会において、町内の児童生徒数も急速に減少の一途をたどる中、入学生徒の確保は困難を極めるところではありますが、これまで以上に生徒募集の取り組みに注力してまいります。昨年度からは道内のみならず、都道府県の枠を越えて自身の興味関心に合った高校を選択するためのプラットフォームである「地域みらい留学」を活用し、全国からの生徒募集に取り組んでおりますが、7年度はこれまでの関東圏での説明会のほか、関西圏まで範囲を広げて実施してまいります。そのほか、旧涌元小・青少年交流センターの改築による住環境の整備、町内外中学校への働きかけの一層の強化、学校ホームページやSNSを活用した効果的な広報活動、昼食提供サービスの実施など、あらゆる取り組みによって、1学年2クラスの学校規模と充実した教育環境の維持に努めてまいります。
今後も、生徒がいきいきと学びながら自らの進路を切り拓く力を身につける教育活動を展開するとともに、知内高校ならではの魅力を広く積極的に発信し、保護者や地域に期待され、生徒に選ばれる学校を目指してまいります。

5.生涯にわたって学び続け、活躍できる社会の推進
生涯学習の推進については、町民一人ひとりの生活の潤いや生きがいづくりに必要なものであり、今後に向けても各年齢層のニーズに合った企画を検討し、普及活動などを進めてまいります。
幼児家庭教育では、絵本に触れる「ブックスタート」や親子体験活動として「のびのび教室」の開催、青少年教育では「クリスマスツリー点灯式」など、子どもたちに夢や希望を与える事業を企画してまいります。また、成人教育では趣味や生きがいに繋げる「公民館講座」、高齢者教育では「知内みらい大学」を開講し、町民が健康で明るい人生を送っていただけるよう努めてまいります。
魅力的な中央公民館を目指して、講堂や会議室へのエアコンの設置が完了しました。今シーズンから快適に施設を利用していただけるとともに、気温の高い日には、クーリングシェルターとしての役割を果たす施設として、町民の安心安全な生活を図ってまいります。また、講堂には新たに吸音カーテンが設置され、吸音効果による音響の質の向上が図られるとともに、200インチの大型スクリーンをステージ上に設置いたします。
図書室については、ネット上で利用できる図書検索システムや予約システムの導入が完了し、今後の図書館利用者の利便性向上と貸し出し冊数の増加に向けた取り組みを進めてまいります。
また、毎年開催しております「町民文化祭」については、たくさんのご来場をいただいておりますが、今後においても新しい催し物やステージ、展示発表の内容を工夫し、多くの町民が参加できるよう検討してまいります。
地域学校協働本部の推進については、子どもたちが学校では得ることのできない知識や経験・能力などを身に着けてもらうために、地域の方がそれぞれの知識や技能を生かし、講師として学校・園で活躍していただいています。今年度においても更に内容を充実させ、各種講演や体験学習などの活動を推進してまいります。
郷土資料館の有効活用については、資料の収集・保存・調査研究といった博物館としての役割だけではなく、より展示や企画内容を工夫し、中央公民館のロビー等でも展示を行い、たくさんの町民に見てもらえる機会を創出してまいります。
また、町の文化・歴史を中心とした「知内学のすすめ」や「ふるさと講座」等の充実を図るとともに、子どもたち向けに開催している「ミュージアム・パル」では、町の自然や文化へ興味・関心を見出すよう世代間の知恵や技能などを伝承し、現代のデジタル社会においても、古き良きものを大切にできる心の育成を進めてまいります。