- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道黒松内町
- 広報紙名 : 広報くろまつない No.563 令和7年4月号
■4主要な施策
次に、令和7年度の主要な施策について申し上げます。
◆第1は、豊かな自然と資源を活かし、稼ぐ産業で幸せをつくる。産業・観光・自然の分野であります。
本町農業の課題である担い手対策については、地域おこし協力隊制度を活用して、将来の担い手となる人材を育成し、新規就農につなげる取組として、畑作部門では、種子馬鈴しょ生産を中心とした合同会社アグリサポート中の川で3年目になる女性1名が、また、酪農・畜産部門では、酪農ヘルパー利用組合で2年目になる女性1名がそれぞれ従事されています。
一方、一昨年6月にアグリサポート中の川での研修を終え、国や町の新規就農者支援制度を活用しながら、農業者としての自立を目指している方については、引き続き、関係機関と連携して就農に向けた支援・指導を行ってまいります。
近年、健康志向の高まりや農業分野における自然環境への配慮といった観点から、東栄地区で行われている通年放牧型での肉用牛による環境再生型農業に注目が集まっています。本町農業の新たな可能性を探るため、こうした環境再生型農業の実践に向けて大学や企業などと連携して拠点整備や就農希望者の確保に取り組み、若者が参入しやすく企業にとっても価値のある農業のモデルづくりを目指します。
また、養鶏での就農予定者がいることから、指導農家や関係機関と連携・協力して、必要な支援を行ってまいります。また、農家子弟に対する担い手育成奨学金などの経済的支援も継続し、本町農業の担い手育成・確保に努めてまいります。
公社営事業により草地改良を実施する「畜産担い手育成総合整備事業」では、町独自の助成制度を継続し、受益者となる酪農・畜産農家の負担軽減を図り、生産基盤の強化に取り組んでまいります。
不安定な世界情勢や円安を背景に、生産資材や肥料・飼料価格が高騰・高止まりし、農業経営を圧迫していることから、酪農・肉用牛生産者が実施する経営コストの削減や効率的な生産に向けた取組に対する助成制度を新たに創設し、経営体質強化の支援をしてまいります。
また、農業者が購入する町内産堆肥に対する補助率の引き上げを継続し、農家負担の軽減と堆肥施用による地力増進を図ってまいります。
改修中の「堆肥センター」は、2月に2棟目の発酵棟が完成いたしました。
最終年となる今年度は、初期段階で原料の発酵を促す予備発酵棟を整備し、新しい発酵・撹拌(かくはん)システムによる良質堆肥の生産を行ってまいります。
有害鳥獣による被害防止対策では、本年度もヒグマの春季管理捕獲事業を継続実施し、人里への出没抑制を図るとともに、昨年、鳥獣被害防止対策協議会が導入した遠隔監視カメラシステムを活用して、監視体制強化に引き続き取り組んでまいります。
また、近年、生息数が増加しているエゾシカについては、引き続き国の交付金事業を最大限に活用しながら、地元猟友会と協力して駆除を行い、農業被害の減少につなげてまいります。
森林整備については、森林環境譲与税を有効活用し、下刈や除間伐、作業道等の維持・補修費の助成を継続して実施するとともに、林業事業者が使用する森林測量ソフトウェアの更新、作業用機械や防護服の購入に対して助成するほか、今年度改修する総合町民センターの木質化などにも充当して、適切な民有林整備と地域木材の利用を推進してまいります。
また、分収造林事業では、豊幌団地において、今年度から、4年間にわたりカラマツを植栽するなど、計画的な森林整備を進めてまいります。
ブナセンターは、環境教育の実践と「自然を活かした健康づくり」を進める森林療法のプログラムを活用したヘルスツーリズムの推進に引き続き取り組んでまいります。
また、幼少期から木や森林と触れ合い親しみを感じることで、豊かな心を育てることを目的に開催される「くろまつない木育フェス」を支援してまいります。
オートキャンプ場は、物価高騰等に対応するために使用料の改定を行いますが、更なる集客向上を図るため、イベント等を行うとともに、施設を安全で快適に利用してもらうため、老朽化に伴う施設改修を実施してまいります。
朱太川の天然アユについては、本年度も生息状況・産卵状況調査と河川管理者など関係機関と連携した産卵場の造成に継続して取り組んでまいります。
「マイナスカーボン・シティ」の実現に向けた基本方針に基づき、温室効果ガスの吸収量の最大化に向けた取組として造林事業を推進してまいります。
なお、今年度から月越地区で風力発電設備を整備する事業者に対しては、歌才自然の家や未利用町有地を貸与するなど、地球温暖化対策として最も期待されている再生可能エネルギーが持続的・安定的に普及するよう、町としても可能な範囲での支援をしてまいります。
また、数社が東栄や月越地区周辺での風力発電事業を検討していますが、本町の自然環境や景観が良好な状態のまま保たれるように、各事業者との協議・調整を続けてまいります。