- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道蘭越町
- 広報紙名 : 広報らんこし 2025年8月号
■幽泉閣のピートポンプシステム
温泉のまち、蘭越町でひときわ多くの方に愛されている「幽泉閣」。地下140mから汲み上げられる温泉は、これまでは入口付近のロードヒーティングにのみ熱利用し、その後は排水として捨てられていました。
一方で、シャワーなどの温水や施設の暖房のため、重油ボイラーを2基設置し、年間約23万リッターの重油を消費していました。(令和2年12月~令和3年11月)
ボイラーが老朽化し、たびたび故障するなど、営業にも支障が出てきたため、令和3年、経済産業省の助成を受け、総工費約2億8千万円をかけて、温泉排湯熱ヒートポンプを導入。排水から熱を回収し、宿泊棟も含む、暖房や温水に使用するシステムになりました。これにより、年間の重油使用料は約95%削減され、二酸化炭素排出量は約28%削減されたと報告されています。
ヒートポンプシステムは電気を多く使用することから、新たに太陽光発電設備導入の可能性について調査を行うため、令和6年度には経済産業省の助成を受け、ヒートポンプ建屋の屋上等を活用し、併せて約16kWの小規模な太陽光発電設備を実証導入しました。
令和7年4月1日から6月30日までの3か月間で約4,190kWhの電気が太陽光発電により幽泉閣に供給されており、これは一般家庭が使う電力使用量の約4世帯分に相当します。
蘭越町は2025年5月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
これからも温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めていきます。