くらし [特集]令和7年度 まちの仕事の方針(1)

新しい年度がスタートしました。
町と教育委員会では、3月定例議会で新年度予算を決めるとともに、今年度のまちづくりの方針である「町政執行方針」と「教育行政執行方針」を明らかにしました。
今月はこの方針について、みなさんにお伝えします。
なお、令和7年度の詳しい予算は、5月に配布する「もっと知りたいことしの仕事2025」をご覧ください。

◆町政執行方針
世界では、ウクライナへのロシアの軍事侵攻から3年が経過し、今なお悲惨な戦争が後を絶たず、「世界平和」を揺るがす状況となっています。また、アメリカでは、国際協調に否定的なトランプ大統領が就任し、地球環境負荷の拡大への懸念も増しています。こうした将来への不安が広がる世界の中で、昨年「日本原水爆被害者団体協議会」がノーベル平和賞を授賞したことは、「核のない恒久世界平和を願う」わが国にとって大変喜ばしいことでした。
しかし、国内に目を転じると、昨年1月の能登半島地震や大雨災害などの復興が道半ばであり、いまだ全国で被災された多くのみなさんが避難生活を送られていることに胸が痛みます。
わが国においては、急速に進む少子化により、平成20(2008)年の1億2,800万人をピークとして、毎年100万人ペースで人口が減少、2100年には6,300万人にまで減少することが見込まれています。令和6(2024)年の出生数は、72万人と過去最低を記録。人口減少抑止対策は、もはや猶予のない緊急課題となっています。
加えて、わが国においては、東京一極集中が止まらず、さまざまな地域や都市間での格差が拡大の一途をたどっています。こうした東京一極集中を止める一助として、37年前の昭和63(1988)年、「多極分散型国土形成促進法」が制定されています。その後、平成2(1990)年にも首都機能の移転が国会で議論された経緯はありますが、今日、いまだ東京圏への人口集中を止めることができていない状況となっています。
また、政治のダイナミズムを発揮し、活力ある地方を創ることにより、国の豊かさを享受することとして進められようとしていた「地方分権」が近年は忘れ去られ、わが国においては反対に、中央集権的機能が拡大しつつあることは誠に残念なことです。
今後においては、国民主権社会を再構築し、地方の自律を進める「地方分権の推進」が、わが国にとって大変重要であるとの訴えを、市町村長が連携する各種組織の中から国の関係機関、政府に届けていきたいと考えています。
国民生活においては、物価が高騰し、世帯所得が減少するという大変厳しい暮らしぶりで、生活における世帯間格差が拡大している実態となっており、生労働省の国民意識調査でも「生活が苦しい」との回答が、59・6%と公表されています。
こうした内外の厳しい経済環境ではありますが、人口減少が続いてきた本町においては、住民基本台帳人口で、35年前の平成2(1990)年の4,483人を最小に、以後横ばいから微増状態に転じ、5,100人台まで人口を回復させることができました。町税においても、平成21(2009)年の予算額は6億900万円でしたが、本年度の当初予算額では10億2,000万円を計上することができ、さらに、公債費比率の減少を含め、財政のさらなる健全化へと転換することができました。