くらし [特集]令和7年度 まちの仕事の方針(12)

◆教育行政執行方針(続き)
6 地域と学校の連携の充実
(1)コミュニティ・スクールの推進
各学校のコミュニティ・スクールの活動を通じ、学校・家庭・地域が課題や目標を共有し、「社会に開かれた教育課程」の実現を図ります。本町の自然環境や多様な人材などの豊富な教育資源を用いながら、まちづくりの取り組みや家庭・地域と一体となった地域学校協働活動を推進し、「個性豊かでニセコを愛し、ニセコに誇りを持つ子どもを育む教育」の充実に取り組みます。

(2)学校危機管理体制の推進
災害や事件・事故などに備え、防災教育、防犯教育、交通安全教育を一層強化します。交通安全では警察や道路管理者など、関係機関との連携を一層強化し、町通学路安全推進会議による通学路の安全点検を実施します。また、学校の教育活動全般を通して危機管理マニュアルの整備や見直しを行います。
スクールバスの運行については、安全第一の運行に努めるほか、効率的なルート設定や登下校時間に合わせた時刻の見直しを行い、児童生徒の通学手段を確保します。

7 生涯学習・スポーツの充実
(1)生涯学習機会の充実
生涯にわたって、いつでもどこでも学ぶことができるよう、多様な学習機会の提供やリカレント教育の推進に取り組みます。
子どもの学習機会では、本町のさまざまな教育資源に触れ、発見や感動を通してふるさとの良さを知るとともに、将来に向けてたくましく生きることができる心や体を育むことを目的とした「ニセコみらいラボ」を実施します。
高齢者の学習機会では、寿大学での学習会や交流会などを通して知識と教養を高め、健康で明るく文化的な生活を送るための取り組みを行います。

(2)生涯スポーツ活動の推進
ウインタースポーツをより身近に親しむため、スキー・スノーボードやクロスカントリースキーなど、多様なスキーを体験できる機会を設けます。また、町内各スキー場の協力を得て、幼児・児童・生徒や保護者のリフト利用への助成などを継続して行います。
スポーツの機会については、健康増進や親睦を目的とした「ふれあい町民運動会」をはじめ、各種スポーツ大会を継続して開催するほか、競技力振興のためスポーツ団体が主催する町長杯スポーツ大会、ニセコマラソンフェスティバルの開催を支援します。
町民のスポーツ振興で中心的な役割を担う町体育協会に対しては、所属団体の活動への支援を行い、地域に根差したスポーツ活動の推進や指導者の育成・確保に努めます。
また、学校で行われている部活動を持続可能なものとするため、町休日部活動の地域移行検討協議会において、部活動の段階的な地域移行に向けた方策などを検討します。

(3)生涯学習・スポーツ施設の充実
所管する各施設においては、安全かつ快適に、誰もが利用しやすい、生涯学習・文化・スポーツ施設とするため、長期的な展望と整備計画を踏まえた適切な維持管理に努めます。総合体育館では、老朽化し改修が必要なアリーナの床などについて設計業務を進めます。

8 文化・芸術の振興
(1)芸術文化活動の推進
文化・芸術は心豊かな社会の形成に寄与することから、関係団体と役割を分担・連携しながら、文化協会主催による町民向けコンサート、児童生徒を対象とした青少年芸術鑑賞会や児童生徒作品展を開催します。また、ニセコ町民センターや学習交流センター「あそぶっく」、有島記念館などの施設を活用し、音楽鑑賞などの芸術に触れる機会の確保に努めます。

(2)読書活動の推進
学習交流センター「あそぶっく」では、図書館として日常的に楽しく身近に読書ができる環境を提供するほか、読書に関するボランティア活動を支援します。
また、第3次子どもの読書活動推進計画に基づき、学校を通じた児童生徒の読書活動を推進するため、NPO法人あそぶっくの会の協力による学校への支援活動を実施し、図書室の環境整備や有効活用、選書の充実にも取り組みます。

(3)有島記念館の充実
有島記念館では、大正期を代表する作家・有島武郎の文学、農場解放などの業績を紹介・伝承する取り組みを進めるとともに、文学・郷土史・美術に関する企画展のほか、教育普及事業を開催し、「美術館」、「文学館」、「郷土博物館」、「文化ホール」という4つの機能向上に努めます。
美術館活動については、中高生対象の「有島武郎青少年公募絵画展」をはじめ、有島記念館が所蔵するイラストレーター藤倉英幸氏のコレクションを活用した展覧会を有島記念館のほか、姉妹館や町外施設でも開催します。
文学館活動については、常設展示室を通年公開するほか、「ありしまきねんかんおはなしとあそびのくに」を、NPO法人ニセコ未来サポート隊が実施する冬期間の子どもの居場所「キッズパーク」と共同で開催します。
郷土資料館活動については、町の歴史的資料収集と郷土資料のデジタル化などを進めます。ニセコ鉄道遺産群では、ニセコ町鉄道文化協会との連携のもと、鉄道車両を公開するイベントの開催および認知度を町内外に広める広報活動を進めます。
有島記念館は建設後約50年が経過し、老朽化が課題になっています。有島記念館建物ならびに有島記念公園など周辺環境の維持を基本としながら、将来にわたり4つの機能が維持できるよう検討を進めます。
令和7(2025)年度においても、教育委員会運営の一層の充実を図りながら、教育を取り巻く諸課題に積極的に対処していく所存です。