くらし [特集]令和7年度 まちの仕事の方針(8)

◆町政執行方針(続き)
◇II 重点政策の展開
6 未来を見据えた行財政の基盤づくり
「町総合計画」、「自治創生総合戦略」、「SDGs未来都市計画」、「脱炭素アクションプラン」を着実に推進するとともに、町が保有する行政財産と資源の有効活用を図り、効率的、効果的な行財政運営に努めます。

(1)総合計画によるまちづくりと行財政運営
本町の最上位計画である「第6次ニセコ町総合計画」(令和6(2024)年度〜令和17(2035)年度の12年間)に基づき、「こども未来共創都市ニセコ」の実現を目指してまちづくりを進めていきます。

(2)まちへの共感、関係人口拡大(ふるさと納税)
自治創生総合戦略に掲げた関係人口の拡大を図るため、「ふるさと住民票」の活用をさらに広く周知するとともに、寄付者の思いが地域へとつながり、魅力あるまちづくりへと展開できるよう、情報の発信と交流に努めていきます。
また、令和4(2022)年11月から開始した「旅行者向けふるさと納税=e旅納税」については、町内の加盟店の拡大を図り、共感地域通貨「NISEKO eumo(ニセコユーモ)」の利用拡大と各施設の利用における町民割引制度の導入に向けての検討を行います。
「地域循環型社会形成」のまちづくり推進には、SNSなどを活用し、まちの取り組みに共感してくれる関係人口や企業のみなさんの拡大を進める必要があり、引き続き「ふるさと納税」や「企業版ふるさと納税」の拡充、強化に努めていきます。

(3)自治創生の推進
自治創生については、「第3期ニセコ町自治創生総合戦略(令和7(2025)年)」をもとに各種事業を進めます。人口においては、想定の範囲で推移しつつありますが、今後、社会情勢の変化への対応、「町総合計画」をはじめ、関係する計画との整合性、人口推移を踏まえた住みよいまちづくりと「地域経済循環の強化」に向けた取り組みを進めていきます。
まちづくりの担い手として、「地域おこし協力隊員」や「集落支援員」を引き続き配置し、地域づくりを担う人材育成に努めていきます。
持続可能なまちづくりを進めるため、株式会社ニセコまち、株式会社ニセコ雪森考舎、株式会社ニセコリゾート観光協会、株式会社キラットニセコとの連携のもと、企業版ふるさと納税の拡大、地域づくり企業人などの制度の活用による関係人口と協力企業の拡大に努めます。

(4)計画的な公共施設管理
本町が保有する資産は、売却や貸付などの有効活用を検討し、地域経済に貢献できるようその活用を進めるとともに、町財政の健全性の保持に努めます。また、計画的な維持修繕や類似施設の統廃合、長寿命化、施設管理の見直し、廃止の検討など、「公共施設等総合管理計画」や「個別施設計画」に基づき、適切な管理運営と将来に引き継げるよう、適切な施設の除却なども行います。
施設整備では、「ライフサイクルコスト」を重視し、性能発注制度の導入と、「コストとロス」を見極め、国の諸支援制度を最大限活用しつつ、施設の改修を適切に行い、持続可能な社会基盤の整備を進めます。

(5)広域行政の推進
広域行政については、「後志広域連合(16町村)」と連携して、税の滞納整理、国民健康保険、介護保険などの事務を推進していくとともに、後志広域連合の機能がより発揮されるよう、将来の事務事業の共同実施など、ほかの構成自治体とも検討を進めていきます。
また、北海道町村会の呼びかけでスタートした「北海道自治体情報システム協議会(北海道町村会情報センター)」においては、会員自治体などと連携し、共同開発・共同利用により、効率的で安価な利活用が図られるよう協議を進めます。
「羊蹄山ろく消防組合」や「羊蹄山麓環境衛生組合」においては、共通経費などの負担が増加しており、負担の増加や恒常化をしないよう協議を進めます。また、羊蹄山麓衛生センターにおいては、改築コストの急増に鑑み、さらなる検討を行うこととしています。
予算の執行にあたってのまとめとしては、昨年からスタートした「第6次ニセコ町総合計画」の基本理念「こども未来共創都市〜ニセコ町の美しい景観と自然を未来の子どもたちへ〜」に込めた思いを基本に、
基本目標I「ニセコの自然を守る」
基本目標II「みんなで学び合い、未来につなぐ」
基本目標III「ニセコの経済を循環させる」
基本目標IV「安心・安全な暮らしやすさを高める」
基本目標V「相互扶助のまちをつくる」
の5つの基本目標が具現化するニセコ町を目指して町政を進めていきます。
今年度もこれまでと同様、私の基本姿勢である「公正、スピード、思いやり」の行動原則を柱に、次代を担う子どもたちへの投資、子育てしやすい環境の拡充を図り、「(1)資源の循環、(2)エネルギーの循環、(3)地域経済の循環」という、本町が将来にわたって自律していくための3つの循環による「子どもの笑顔が輝く元気なニセコづくり」に努めていきます。
また、私は就任以来一貫して、日本国憲法の理念を暮らしに生かすこと、そして、ニセコ町まちづくり基本条例に基づいてまちづくりを進めることを基本に、本町にお住まいのみなさんが、住むことが誇りに思える相互扶助のまちづくりを目指してきました。そして、予算の編成・執行においては、自治体経営の視点で町政を担ってまいりましたことを付け加えさせていただきます。