くらし [特集]令和7年度 まちの仕事の方針(4)

◆町政執行方針(続き)
◇II 重点政策の展開(続き)
1 持続する地域経済の確立(続き)
(2)観光の振興
令和6(2024)年度は、本町に国内外から多くの観光客のみなさんにお越しいただき、特にインバウンドの入込数は、冬季だけではなく、グリーンシーズンにおいても令和5(2023)年よりも増加となり、観光経済活動が活発となっています。
一方で、ニセコ地域における物価が非常に高いという印象を植え付ける「ニセコ価格」という言葉がSNSやマスコミを通じて広がり、本町にとってマイナスのイメージが浸透したことから、一部宿泊施設においては宿泊者数の減少を見ています。このことから、ニセコ地域全体が物価高騰しているという印象を払拭させるために、本町の物価の実態を伝える取り組みを行います。
また、これまでにグリーンディスティネーションズから、令和5(2023)年に世界のトップ100の観光地選定から、さらに上位の「シルバーアワード」を受賞する栄誉をいただきましたが、本年度は更新年であるこら、世界標準の観光地としての価値を確認するため申請を行うこととしています。
こうした各機関との連携により、世界的に注目が高まりつつある「持続可能な観光地」として、国内外での認知度を高め、今後も本町が旅行先として選ばれ続け、町民にとって誇れるリゾート地となるよう取り組んでいきます。また昨年11月に導入した「宿泊税」を活用しながら、「町観光振興ビジョン」に基づき、持続可能な観光地としての環境を整える取り組みも進めていきます。
これまで国に要望をしてきた「デジタルノマド・ビザ」は、昨年4月から制度が開始されていますが、引き続き、国に対し制度の拡充や滞在期間の延長などの提言を行っていきます。
ニセコ観光圏においては、関係する倶知安町、蘭越町とともに、広域課題に連携して取り組んでいきます。また、町内の各種団体が行う地域振興イベントへの支援や環境省から「国民保養温泉地」の指定を受けている温泉の魅力発信、自転車、フットパス、ラフティングなどの夏季の魅力アップ事業に民間組織と連携し、取り組んでいきます。
ニセコエリアが、スキーやスノーボード愛好者にとって安心できるスノーリゾート地であり続けるため、雪崩事故防止対策である「ニセコルール」の運用をエリア内のスキー場運営者や国立防災科学技術研究所などの関係機関と連携して実施していきます。特に、ニセコエリアのパウダースノーが世界に認知される役割を担われた「ニセコルール」推進の中核組織である「ニセコ雪崩調査所」への支援を倶知安町や各スキー場、関係機関などと引き続き実施していきます。
また、国土交通省において事業決定された高速道路の整備促進に連携して取り組むとともに、インターチェンジなどと密接に関連する「道の駅ニセコビュープラザ」の再整備については、国道・道道における防災重要拠点としての機能向上を図り、進めることとし、さらに立地場所も含めて検討します。

(3)商工業の振興と労働対策
昨年、本町での人材不足を補う一助とするため、スキマバイトサービスの「タイミー社」と連携協定を締結しましたが、さらに、人材不足解消策として、「特定地域づくり事業協同組合制度」の導入に向けた検討をしてきました。この結果、同制度を本年度から導入することで、地域経済の基盤整備や持続的な地域の発展に資するよう、当組合に対して支援することとしています。
また、昨年度から、町内事業者が従業員確保を目的に行う取り組みに対して、1事業者最大200万円の補助を行う「町人財確保緊急対策モデル事業補助」を今年度も実施し、従業員の確保に向けた取り組みを支援していきます。
商工業振興の中核組織であるニセコ町商工会の会員数は、令和7(2025)年1月末日現在で231事業者となり、過去最高の会員数を記録しています。商工会会員のみなさんの活動が本町の活性化の大きな要因であることから、引き続き、小規模事業者などへの支援をしていきます。
本年度も引き続き「優良な企業」の誘致活動を積極的に実施し、町内経済基盤の拡充強化に努めます。また、商店振興に大変重要な「綺羅カード会」の支援を拡充・継続するとともに、全町型地域通貨の拡充に努め、e旅納税の普及啓発とリゾート地などにおける町民割引制度の確立による、町民の経済負担の軽減策を検討していきます。
消費者対策では、本町を含む近隣7町村で設置している「ようてい地域消費生活相談窓口」の機能がより発揮されるよう相談者活動の拡充と啓発活動を推進していきます。