- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道ニセコ町
- 広報紙名 : 広報ニセコ 令和7年4月号
◆教育行政執行方針
国においては、次期学習指導要領の改訂に向けた動きが進み始めていますが、現行の学習指導要領の確実な実施、評価、改善のPDCAサイクルの徹底を図ることが求められています。また、「だれ一人取り残されない社会」を実現するため、どのような地域においても最適な教育を受けることができるよう、教育の振興や充実が求められています。さらに、幼保小接続期の教育の質的向上も求められています。
このような中で、一人ひとりの児童生徒が自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるよう教育することが必要です。また、グローバル化が進展する中で、ICTの活用などによる授業改善や、高校のDX化の推進などを通じたデジタル人材育成の抜本的強化、文理横断的・探究的教育の充実を図ることが重要です。
現行の学習指導要領が、令和2(2020)年に小学校において導入され、中学校、高等学校においても実施展開され、その評価・改善が具体的に求められます。また、「社会に開かれた教育課程」を重視し、生きる力を育むため「何のために学ぶのか」という学習意義を共有しながら、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善と、組織的・計画的に教育活動の質の向上を図るための「カリキュラム・マネジメント」を確立することが重要です。
本町においては、令和6(2024)年3月に第6次ニセコ町総合計画が策定され、基本理念として「こども未来共創都市ニセコ〜ニセコ町の美しい景観と自然を未来のこどもたちへ〜」を掲げました。教育については、基本目標II「みんなで学び合い、未来につなぐ」に主要施策が定められました。
学校教育においては、「社会に開かれた教育課程」や「ICTの活用」を積極的に推進し、教師の指導力の向上を図り授業改善を推進することができるよう、教育環境の充実に努めます。特に、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の往還による一体的な取り組みが実現できるよう、学校内外で教育の質が高められるような環境づくりを進めます。
1 持続可能な社会実現の推進
(1)SDGs・ESDの推進
教育は人が生きるうえでの基盤となるものです。SDGs未来都市や環境モデル都市の取り組みをはじめ、ニセコならではの環境を生かし、子どもから大人まで誰もが質の高い教育を受け、生涯にわたって学びを深める持続可能な社会の創り手を育む教育(ESD)を推進し、持続可能な社会(SDGs)の実現につなげていきます。
2 豊かな心と健やかな体の育成
(1)子育て支援の推進
子どもたちの笑顔が輝くまちを目指し、第3期子ども・子育て支援事業計画に基づき、子育て支援策を総合的に推進します。
地域子育て支援センターでは、未就園の親子を対象とした交流・学習の場の提供や子育てに関する相談・援助のほか、一時保育や休日保育を実施し、子育て環境の向上を図ります。
学童期の児童に対しては、放課後に安全・安心な居場所や発達段階に応じた遊び・生活ができる場として、放課後こども教室やニセコこども館における学童保育事業を実施し、子どもの健全な育成を図るとともに、こども館にエアコンを追加設置し、保育環境の改善を進めます。
また、子育ての相互援助活動を行うファミリーサポートセンター事業を拡充し、空き施設を活用した預かり拠点整備やサポーターの増加への取り組みを進めるとともに、病児保育の実現可能性について検討を行います。
さらには、NPO法人による長期休暇中の預かり保育活動、子どもの遊び場や居場所づくりの推進、そのほか民間団体による取り組みの支援など、地域の力を活用しながら地域全体で子どもを育むまちづくりを進めます。
(2)幼児教育・保育の推進
乳幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期です。子どもが安心して生活できる場を提供し、成長や発達を支えるとともに質の高い幼児教育を実現していくことが重要です。そのため、幼児教育と保育の両面を担う幼児センターでは、自然の中での保育遊びや生活を通して、基本的生活習慣の育成や豊かな心と健やかな体の育成につながる教育・保育に取り組みます。また、家庭と連携した絵本の読み聞かせや、外国語指導助手・国際交流員による英語タイムなど、地域との多様な関わりを深めながら保育を進め、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を大切にし、小学校の学びへの円滑な接続、中学校・高校・大学などとの連携や交流を推進し、幼児教育・保育の一層の充実に努めます。
また、利用者の利便性向上や保育士の業務負担を軽減するため、幼児センターに常設Wi‐Fiを設置し、保育支援システムの拡充などDX化の推進を図るとともに、人手不足解消に向け、人材確保に努めていきます。
令和8(2026)年度からすべての自治体で実施することとなっている「こども誰でも通園制度」の本町版の実施方法・制度設計などについて準備を進めます。
(3)体力・運動能力の向上
子どもが健やかな生活を送ることができるよう、家庭と連携し、基本的な生活習慣づくりを進めるとともに、全国体力・運動能力調査などの結果を活用し、幼児センター・学校での体力づくりの充実や運動習慣の定着に努めます。