- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道ニセコ町
- 広報紙名 : 広報ニセコ 令和7年4月号
◆教育行政執行方針(続き)
4 ふるさと・多文化共生の推進
(3)ニセコ高校の振興
ニセコ高校では、シビックプライドを持ったグローバル人材の育成を最高目標として、起業家教育と国際教育を特色とする新しい学校づくりを進めています。起業家教育ではデジタル技術などを活用した探究活動を進め、令和6(2024)年度から始めた放課後起業クラブ(Stars UP)では学習成果を活用し、挑戦する機会を創出します。国際教育では、4年生の生徒が行う海外研修の費用を支援するほか、生徒が日常的に英語や海外の文化に触れ、楽しみながら国際感覚を身に付けることができるNISEKO World Villageの活動を推進し、グローバル社会を生き抜くために必要な国際性や英語力を育みます。
また、令和8(2026)年度に新設する全日制、進学型単位制総合学科の新たな高校の特色を生かした具体的な教育課程の検討を進め、教職員の人材確保に努めるとともに、生徒や保護者を支援してきたこれまでの補助事業の見直しを進めるなど、高校改革の取り組みを総合的に進めます。
新設する生徒寮(新寮)については、令和6(2024)年度の実施設計をもとに令和7(2025)年度中に建設工事を行い、令和8(2026)年度新入生の受け入れ体制を整備します。併せて、増加が見込まれる入寮希望の生徒のため、臨時寮を希望ヶ丘寮の裏手に整備しました。寮を利用する生徒が増加することから、生徒への食事提供について新寮への食事提供方法も視野に入れながら、新たな方法による食事提供を進めます。
また、新たな高校では定員が1学年70人に増え、これまでのように学校給食の提供ができなくなることから、給食に代わる昼食の提供方法を検討します。
校舎については、令和6(2024)年度に策定した基本構想を踏まえ、令和7(2025)年度で改修の設計業務と一部校舎改修を行います。
令和6(2024)年度・令和7(2025)年度の出願者数は定員を超え、生徒数の確保が見込まれる状況となりました。これは、令和8(2026)年度からの新たな高校の教育課程の一部を先取りして実施してきたことや、近隣町村への訪問、学校説明会の実施、地域みらい留学の活用など、生徒募集の取り組みの成果と考えており、令和8(2026)年度に向けた生徒募集にさらに力を入れて定員確保を図っていきます。
5 学びの質を高める環境の確立
(1)ICTの活用推進
教育DXをさらに進めるため、ハード・ソフト・人材を一体とした教育環境整備を進めます。学習環境の充実、ICT支援員の配置、教職員のICTを活用した授業力の向上などのほか、学習支援ソフトによる学びの充実や家庭学習での活用を進め、教育の質を向上させます。
また、すでに運用している校務支援システムと連携できる保護者との連絡アプリを導入し、学校と保護者の連絡を効率化し、教職員の事務負担軽減を図ります。
(2)教育相談・生徒指導支援の推進
いじめや不登校、ネットトラブルへの対応など、児童生徒を取り巻く社会の変化に応じた対応が求められています。また、いじめ防止基本方針に基づく早期発見と未然防止に努めるほか、児童生徒の主体的な活動を大切にし、ルールなどを自らが考え、実行できる教育環境づくりに努めます。
これら課題解決の一助とするべくスクールカウンセラーを配置し、児童生徒や保護者との相談を充実させます。
(3)教職員の研修機会の充実
より質の高い教育を継続的に提供し、子どもたちの可能性を最大限に伸長させることができるよう、教員が強い使命感や豊かな社会性、実践的な指導力などの資質能力を十分に備えるために、町内の教職員が参画するニセコスタイルの教育研究会の活動を支援します。11月に設定している「ニセコスタイルの教育の日」には、町内全校種の教職員が一堂に参集し、学びの充実について研究協議を行い、授業改善などに取り組みます。
(4)働き方改革の推進
各学校の教育目標の実現に向けて、限られた人的・物的資源を効果的に活用しながら、教職員が真に必要な教育活動に注力することができるよう、学校における働き方改革を推進します。また、教育現場のDX化をさらに進め、教職員が持てる力を存分に発揮できる職場環境を整備します。
(5)学びのセーフティネットの構築
子どもが生まれ育った環境によって学習機会が左右されることのないよう必要な支援を行い、すべての子どもが安心して就学できる環境づくりが大切です。就学援助制度により、引き続き学用品費や学校給食費などの経済的支援を行います。
また、帰国子女を含め日本語が分からない児童生徒へ教職員や支援員の配置を行い、子どもの就学機会を提供するほか、学校生活への適応を図るとともに、適切な指導を行います。
(6)教育環境整備
各学校の教育環境の整備を行い、安全で快適な学習環境を提供します。ニセコ小学校では、学校の暑さ対策としてエアコンが未設置となっている職員室・保健室などへ追加設置を行うほか、ニセコ中学校では生徒トイレの洋式化、近藤小学校では照明器具のLED化などを行います。
また、ニセコ高校においては全日制移行に向けて、校舎の改修に向けた設計業務を進め、教室改修や机・椅子などの備品整備を進めます。