くらし 地域おこし協力隊・地域防災マネージャー中島さんによる防災の心得

【今月のテーマ…避難所で陥りやすい病症その2 エコノミークラス症候群】
前回の「低体温症」の話に続き、厳冬期の避難所生活や避難所生活以外でも起こりうる病症の紹介です。今回はエコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群は、飛行機や自動車などに長時間同じ姿勢で座っていることにより、主に下肢で血栓ができる可能性が高まるなど、血液の循環障害の一種です。最悪の場合、死に至ります。平成28年の熊本地震の時は、震度7の連続発生及び余震が頻発したことから大勢の避難住民が車中泊避難を選択し、その結果、エコノミークラス症候群に起因する災害関連死が多く発生し、深刻な問題となりました。当時からエコノミークラス症候群は一般に知られてはいましたが、その対策については浸透していなかったようです。
また、床面での雑魚寝もいけません。「床面で寝ている→起きる→立つ」の挙動が高齢者には辛いため動くことが億劫になり常に横になりがちですが、これもエコノミークラス症候群を誘発します。段ボールベッド等を使えば、容易に起きて立ち上がれます。
エコノミークラス症候群は、適度な運動と水分摂取で簡単に予防できます。車内で日に何度か脚を動かす・マッサージする(弾性ストッキングの使用も有効です)、天候が許せば避難所の周りを散歩する。制限の範囲でも、しっかり水は飲む。トイレの回数を減らそうと水分摂取をためらうことは、血栓の発生を促します。「しっかりと水分を摂って、動く・休む・また動く!」を心がけましょう。

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