- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道余市町
- 広報紙名 : 広報よいち 令和7年4月号
余市町長 齊藤啓輔
新年度が始まります。令和7年度は108億円と、昨年との比較で2.9%増えています。この予算のポイントについて解説します。
私の就任時に5,000万円台であったふるさと納税額は、およそ15億円増やすことに成功し、令和6年度のふるさと納税額は15.5億円ほどになりました。就任当初の後志管内9位から1位となり、政策遂行にあたっての貴重な財源となっています。この大切な財源を有効に活用し、未来をつくり、いまを支える予算を策定しました。昨年度から始めている小中学校の給食費の無償化、0歳からの保育料無償化は今年度も継続し、実質的な子育て世帯の手取りを増加させています。今年度は和痛(無痛)分娩支援を追加し出産・子育て支援を拡充しました。不妊、不育治療にも予算を割いていますし、先進諸国では普通に行われている高精度胎児エコーも引き続き小樽協会病院と協力して行うことができます。
また今年度は新規に町民の皆さんの健康を守るべく、肺がん、大腸がんを早期発見し、早期に治療を開始できるようがん精密検診事業も開始します。加えて18歳までの医療費は既に令和5年度から無償化しており、HPVワクチンの男性への接種も可能になっています。
◇ふるさと納税を財源とした余市町の切れ目のない子育て支援や健康の増進
〇子育て応援事業:
第1子、第2子の出産により5万円支給、第3子以降の出産により50万円支給
〇胎児精密超音波検査費用助成
〇不妊治療、不育症治療助成
☆和痛(無痛)分娩費用助成(新規事業)
〇余市町奨学金返還支援事業:
30歳まで申請可能、町内に定住している方を対象に5年間で最大72万円
☆がん精密検診事業(新規事業)
がん死亡率が高い肺がん・大腸がんの早期発見・早期治療のための支援
長年の懸案事項となっている町営斎場の建替えはようやく基本・実施設計が始まります。廃棄物処理に関しても一般廃棄物最終処分場を整備したり、安定的な収集体制を将来に渡り確保すべく収集業務体制の見直しを行います。町民の皆さんが快適に住める余市町にすべく全力を尽くしています。
経済産業の振興については、ガストロノミーツーリズム推進事業という名称で予算を確保しています。この中に、農林水産業支援や、商工観光業支援にかかる政策を入れ込むことで、国費を充当し広く余市の産業を支援する総合的な経済振興プロジェクトに仕立てあげています。
この時期は各自治体の予算が新聞で報道されますが、歳入の町税をご覧ください。余市町は歳入のうち町税の割合は17%程度です(全国平均は35%)。後志管内では上から6番目ですが、地方交付税交付金他に依存する大変厳しい状況には変わりありません。
先の議会では子育て世代への支援は見えるが、高齢者への支援がおろそかではないかとの指摘を受けましたが、高齢者を社会で支える扶助費は約20年前の平成14年に比べて約5倍の支出ですので全くおろそかにしているということはなく、国の補正予算に伴う物価高騰対策の交付金を活用し、低所得世帯や65歳以上の高齢者を対象とした給付金事業も予算化し、支給を開始しています。
埼玉県八潮市での道路陥没は記憶に新しく全国的なインフラの老朽化が論点となっていますが、余市町でも公共施設などのインフラの老朽化が進んでおり、その維持・更新の経費が毎年約29億円近くかかってくると推計されています。今後ますます厳しさを増すことが予想されます。だからこそ、一層効率的な財政運営を行なっていかなければ危機的状況を乗り切ることはできません。
今年度も余市町の今後10年のテーマである「次世代の可能性を引き出す」、「資源を最大限活用しまちを持続・発展させる」、「激動する社会に対応する」この3つの指針を職員と一丸となって未来に向けて住みやすいまちをつくることに全力を尽くしてまいります。引き続きのご指導をよろしくお願いします。