くらし 令和7年度町政執行方針(3)

▽多様なひとが健康に暮らし、学べるまちづくり
少子化や核家族化が進み、子育て世帯を取り巻く社会環境が大きく変化する中、子育てに対するニーズも多様化しております。
このような状況に対応するため、従来の支援体制を見直し、すべての子供とその家庭、そして妊産婦に対して一体的に支援を行う「こども家庭センター」を開設します。

また、妊娠期から出産、子育てまで切れ目ないサポートを提供するため、妊婦健診、出産時、産後健診における交通費の助成のほか、身近な相談支援と経済的支援を一体的に実施し、産後も安心して子育てができる体制の充実を図ってまいります。

さらに、不妊治療への経済的な負担の軽減を図るため、昨年に引き続き不妊治療費の一部を助成し、子供を生み育てやすい環境づくりを推進してまいります。

子ども発達支援センターは、発達に心配がある子供と家族が身近な地域で安心して適切な支援を受けられるよう、同施設内の障害児通所支援事業所(児童発達支援・放課後等デイサービス)と連携しながら、内容の充実に努めてまいります。

生活習慣病は、胎児期や乳幼児期の栄養状態によって将来の発症に大きく影響を及ぼします。
病気の早期発見と早期治療、より良い食事と生活習慣を身に付け、健康に対する意識を高めるため、新たに1か月児を乳幼児健診の対象に加え、妊婦健診から長寿健診まで全世代の皆さんが健診を受診できる機会を確保しながら、健康づくりを支援してまいります。

子供たちの教育環境が大きく変化する中であっても、資質や能力の育成は常に求められており、環境の整備は必要不可欠であります。
昨年度のエアコン整備に続き、小・中学校の照明のLED化工事を行い、明るさと安全に配慮し、学習に集中できる環境を整備してまいります。

国が推進する「GIGAスクール構想」に基づき、児童生徒に対し「一人一台端末」を令和2年度に整備しておりますが、バッテリーの劣化や端末の故障等のリスクを抑えるため、計画的な更新を実施してまいります。

子供たちの積極果敢に挑戦する気持ちを後押しするため、「がんばれ子ども応援基金」を活用した、全国大会出場の助成事業や子供たちが主体的に取り組む漢字検定等の受検費用の助成、学力向上対策として外部人材などの知識や経験を活用した英語授業の充実や放課後学習対策を引き続き実施してまいります。

学校給食については、献立を工夫するなど物価上昇に対応してまいりましたが、食材の高騰は続き、再び給食費を値上げしなければ食材の確保が難しい状況となりました。
このため、今年度は保護者が負担する給食費の値上げ相当分を公費で負担し、給食費を据え置くとともに残食を軽減させる取組を実施してまいります。

人生100年時代の到来やデジタル社会の進展にあって、生涯学習の重要性は一層高まっております。また、皆さんが取り組む文化活動やスポーツ活動の場を保障することは、行政の役割の一つでもありますことから、町民が核となる各種団体の活動・事業につきましては、継続的に支援してまいります。

令和5年8月から、町独自で50歳以上の町民を対象に助成してきた帯状疱疹ワクチン接種ですが、国の方針により、本年4月から65歳になった高齢者などを対象とした定期接種となることが決定されました。
町では、これまで対象としていた50歳以上の町民が安心してワクチン接種できるよう引き続き町独自の助成を続けてまいります。

今年は、いわゆる「団塊の世代」全員が75歳以上になります。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、およそ5人に1人が後期高齢者になる見通しであります。当町の高齢者人口は、すでにピークを迎え減少に転じておりますが、高齢化率は今もなお上昇し続けていることから、医療や介護ニーズの増加と複雑化・多様化が予想されます。
このことから、令和9年度から始まる「第10期由仁町介護保険事業計画」の策定に向け、住民や関係者の意見を踏まえた実態調査を実施してまいります。

年齢を重ね体が弱っても、住み慣れた地域で自分らしい日常生活を最期まで続けることができる、先進的で持続可能な地域包括ケアシステムの実現を目指すため、「由仁町地域包括ケアシステムの推進に関する条例」に基づき、地域包括支援センターが核となり、関係機関との連携強化と町民への啓発をより一層進めてまいります。

夜間に医療機関を受診する手段がない80歳以上の一人暮らしの高齢者や高齢世帯の方などが、体調不良時に町立診療所の医師と看護師が24時間体制で往診等を行う「診療所駆けつけサービス」が利用できる緊急通報装置設置事業をより一層進めてまいります。

町立診療所は、外来、入院、救急、そして在宅ケアの機能を有し、統合された地域ケアの拠点として地域の多職種との連携を推進しており、今後も在宅医療のほか必要なサービス提供を行う体制づくりに務めてまいります。

将来に渡り、持続的に安定した医療、地域ケアを行うことができるよう、老朽化した診療所の建替えも含めた医療環境の整備について、調査や検討を進めてまいります。