くらし 町政の執行方針(1)

鷹栖町長 谷 寿男

●はじめに
令和7年第1回鷹栖町議会定例会の開会に際し、町政執行の所信と町政運営の基本的な考え方を申し上げます。
全国的な人口減少、少子高齢化の深刻化、止まらない物価高騰、激甚化する自然災害など、大きな時代のうねりによる暗い話題が多い現代。政府は、地方創生2.0を打ち出し、「令和の日本列島改造」を強力に進めることで、地方のさらなる魅力向上を図る指針を示しています。
町内においては、これまで猛威をふるっていた新型コロナウイルス感染症の影響も落ち着きを取り戻し、地域活性化に向けた様々な取り組み、交流活動が精力的に行われ、新たな町の魅力の創造・発信が図られています。
引き続き、町の強みである「人の魅力」「つながる力」を大切にし、地域の資源に目を向け、より一層の創意工夫によって、未来へつなぐまちづくりを推進します。

●令和7年度のまちづくりと予算概要
次に、令和7年度のまちづくりと予算概要について申し上げます。
令和7年度から、第8次鷹栖町総合振興計画の後期計画がスタートします。
キャッチフレーズ「笑顔 幸せ みんなでつくる あったかす」の実現に向け、コロナ禍でも着実に進められたまちづくりの成果と課題を明確にし、前期期間の評価検証を行いながら、持続可能なまちづくりの観点を重視し策定しました。
5つの基本目標(下記参照)を継続しつつ、時代や社会の変化をふまえて見直した基本計画に基づき、限られた財源を効果的・効率的に活用して着実なまちづくりを進めます。
その上で、令和7年度は「移住定住の促進」、「商業拠点施設を核とした鷹栖市街地の活性化」、「農業者の担い手育成とスマート農業への支援」、「より一層安心して産み育てられる子育て支援の充実」、「持続的な総合交通対策」を重点施策として取り組みます。
一般会計は、予算総額66億3,700万円、前年度に比べ6億2,400万円、8.6%の減となりました。人口減少や少子高齢化が進む中、限られた財源を効果的・効率的に活用し、次世代への確実な財産を残せる持続可能なまちづくりの観点による、堅実な予算編成に努めました。
ここからは、総合振興計画の体系に沿って、主要な事業の概要をご説明します。

●5つの基本目標
1.あらゆる世代が幸せを追求する人が輝くまち
2.あらゆる人の希望に寄り添う幸せな暮らしを実現するまち
3.あらゆる地域資源を活かす幸せなしごとをつくるまち
4.あらゆる安心を未来へとつなぐ幸せな環境を持続するまち
5.あらゆる人が関係して高めあう幸せな交流があるまち

■基本目標1(施策1~施策5)
あらゆる世代が幸せを追求する人が輝くまち

▽施策1 地域ぐるみで魅力ある学校教育
少子化が進む中、地域の宝である子どもたちが意欲的に学べる環境、未来へはばたく資質・能力を育む環境づくりは極めて重要です。学校教育においては、学習支援員の継続配置や放課後学習を充実し、学力・学習意欲の向上、学習習慣の定着を図ります。また、鷹栖中学校校内に教育支援センターを設置し、子どもたちの悩み、困りごとの相談体制強化、不登校の未然防止に努めます。
物価高騰による影響をふまえ、小中学校の修学旅行費一部助成を行うとともに、給食費は据え置きとし、保護者の負担軽減を図ります。
鷹栖町立学校適正配置計画により、当面の間は現在の学校数を維持する指針が教育委員会から出され、令和7年度は鷹栖小学校の大規模改修に向けた実施設計を行います。

▽施策2 感性を育むふるさと共育
ふるさと鷹栖の環境、資源を生かした「ふるさと共育」は、学校と連携し策定したプログラムを中心に、子どもたちの郷土愛を育みます。

▽施策3 いつまでも学び続けることが叶うまち
人生100年時代、人生のマルチステージ化が進む中、生涯にわたって学び続けられる環境は大切です。地域運営組織と連携を図り、学びの場を創出します。

▽施策4 誰もが気軽にスポーツに親しめる場の提供
たかす総合型地域スポーツクラブは体制強化を図り、誰もが参加しやすい環境づくりを進めます。子どもたちの可能性を引き出すため、放課後の時間帯における少年団等と連携した送迎体制を確立し、スポーツに親しむ機会を創出します。
また、部活動地域移行に向け、各種競技の関係者の皆さまと協議を進め、体制の構築を図ります。

▽施策5 郷土の歴史と文化芸術を生かしたまちづくり
町の歴史や文化を、次世代に受け継いでいくことも重要な役割です。地域団体と連携を深めるとともに、郷土資料のデジタル保存に向けた取り組みを進めます。