くらし マチの宝物

◆一蹴で夢を切り拓け スペインから目指すプロへの道
[プロフィール]
三木凛太郎(みきりんたろう)さん
2012年生まれ 13歳
中学1年生

現在、中学1年生ながらスペインのクラブチームでプレーし、さらなる高みを目指している三木凛太郎さん。「サッカーを始めたのは小学1年生のとき。友達に誘われて、少年団でボールを蹴ったのがきっかけでした」と当時を振り返ります。
本格的な転機は小学4年生の冬。あるコーチから「そのスピードは君の武器になる。もっと試合経験を積んだほうがいい」と声をかけられ、クラブチームへの挑戦を決意しました。いくつかの体験練習を経て、「ここでやりたい」と思えるチームに出会い、5年生の秋から入団。「上位クラスに入れなくて悔しかったけれど、自分がまだ未熟だと分かっていました」と素直に受け止め、個人レッスンや自主練習で基礎を徹底的に磨きました。
冬は雪で外練習ができないため、体育館や友達の庭で練習。さらには自宅の和室をサッカー専用スペースに改装し、ボールコントロールやイメージトレーニングに励みました。「スペインのプロの試合を見て、ポジションごとの動きを研究しました。家の中でできることを工夫するのも楽しかったです」と笑顔を見せます。
そんな努力の先に待っていたのは、海外挑戦のチャンスでした。小学6年生の夏、目標にしていたスペインのクラブの選考が中止に。しかし、三木さんは諦めず、直接クラブに連絡を取るなどし、動画審査を通じてスペインのラ・リーガセビージャFCへの留学が決定。「決まったときは本当にうれしかったけれど、不安も大きかった。一番心配だったのは言葉です」と振り返ります。短期間で必死にスペイン語を学び、令和6年9月、単身で海を渡りました。
異国での生活は決して楽ではありませんでした。初めての寮生活、慣れない食事、そしてホームシック。「最初の数日は毎日『どうしたらいい?』と親に連絡していました。でも、途中で覚悟を決めました。簡単には帰れないし、やるしかないって」と強いまなざしで語ります。
約10か月の留学を通して、海外のスピードとフィジカルを体感。「自分の強みであるスピードは通用したけれど、技術や視野の広さはまだまだ。もっと磨かないと」と課題を見つめています。国際大会MICのU13日本代表も経験。そこでのプレーが評価され、今年9月からは新たにスペイン北西部にあるRCセルタでの挑戦が始まります。「今度は勉強も厳しい環境。学業もサッカーも両立して、さらに成長したいです」。
将来の夢は「プロサッカー選手になって、日本代表、そして海外リーグで活躍すること」。憧れはフランス代表のエムバペ選手。「彼のようにスピードを最大限に生かして、得点できる選手になりたい」と目を輝かせています。