くらし 森がつなぐ地域の絆 当麻町と東川町が当麻町産材の活用で連携協定

10月1日、当麻町と東川町が、「当麻町木材の提供に関わる連携協定」を締結しました。
町の65%を森林が占める当麻町は、約4400ヘクタールの町有林を持ち、そのうち2700ヘクタールが広葉樹を主体とする天然林です。町では、これまで北海道産銘木市へ出材し、町産木材の高付加価値化に取り組んできました。近年は、銘木市に出すほどの高質材ではないものの、家具や小物の製作用として十分に活用できる木材を町内外に安定的に供給するため、「町産材ストック供給事業」を町内のアイト産業(株)と連携して実施。伐採した原木の製材・乾燥までを町が実施し、広葉樹の新たな活用を進めています。
一方、「写真の町」としても知られる東川町は、日本五大家具産地の一つ「旭川家具」製作の一翼を担う、工房やメーカーが集まる町。家具を中心とした木工産業は、町の基幹産業の一つであり、職人の手による高品質な製品は、全国的にも高い評価を得ています。しかし、東川町は町有林の面積が小さく、木材の確保に課題を抱えていました。
今回の連携協定を通し、今後、当麻町産木材が東川町へ提供され、工房やメーカーで当麻町産材が使用されるほか、町内の小中学校の椅子や机の製作にも活用されます。また、当麻町でも東川町の家具事業者が製作した製品をふるさと納税返礼品として取り扱うなど、互いの強みを生かした新たな価値の創出による地域活性化が期待されます。
村椿哲朗町長は、「町産広葉樹の活用は、地域の『稼ぐ力』を高める」と強調し、菊地伸東川町長は、「東川町産の木材の供給ではいまひとつ十分な状況ではない中で、地域の材をどう生かすか、隣の当麻町産木材を使わせていただくのは、本当に大きな意味を感じている」と語りました。
森を大切に育ててきた当麻町と、木の魅力を伝える東川町。この協定をきっかけに、木を通じた地域の新しいつながりが広がっていきます。