子育て 特集 子どもたちの食を支える施設(2)

■子どもたちの食を支える、給食づくりの現場から
現在、学校給食センターの仕事に携わる、栄養教諭の蓮尾綸さん、管理栄養士の高田莉穂さんのお二人に献立を作るときに意識していることや、今後の取り組みについてお話していただきました。

□献立作成時に意識していること
蓮尾さん…学校給食を通して様々な食文化を学んでもらうために、日本の郷土料理や世界の料理を献立に組み込んでいます。世界の料理に関しては、実際にお店に行って料理を食べてみたり、日本人の味覚に合うようにアレンジをしたりなどの工夫をしています。
髙田さん…旬の野菜を積極的に使ったり、週に1回は魚料理を提供するよう心がけています。また、月に一回、新しいメニューを献立に加えられたらと思っています。

□うれしさを感じる瞬間
蓮尾さん…毎日、村内の学校に行っていますが、子どもたちから「おいしい!」といった報告を聞けるのがうれしいです。
髙田さん…学校から回収されてくる残食も確認しているのですが、新しいメニューを提供した後、空になった食缶が戻ってくるとうれしいですし、「作ってよかった」と思います。

□大変なことや難しいこと
蓮尾さん…焼きカレーグラタンのように、すべて手作りで一つひとつ盛り付けをしているメニューになると大変ですね。そういったときは、工程の少ないメニューと組み合わせるなどをして、作業工程のバランスをとっています。
髙田さん…食材費が高騰するなか、学校給食に使える予算は月ごとに決まっているため、栄養バランスなども考えつつ、予算の範囲内に収めるのが大変です。いつも月初めに来月の献立を考えるのですが、そのときが一番緊張します。

□これからの取り組み
蓮尾さん…学校給食を提供するだけではなく、村の皆さんが食べ物について学び、幅広い世代への食育に繋がる施設として運営していけたらと考えています。そこから、保護者の方にも学校給食センターの様子や取り組みをもっと知ってもらえたらと思います。
髙田さん…コロナ禍前と比べ、親子で学校給食を食べる機会は少なくなり、現時点では全学校共通の取組みなども実施していない状況です。学校給食センターでは、栄養バランスに気を配るだけでなく減塩にも取り組んでいるため、保護者の方にも学校給食を食べてもらえるような機会を増やしていきたいです。

■安心・安全を届けるために
学校給食センターでは衛生管理を徹底し、児童生徒や先生方が「安心」して食べることができる「安全」でおいしい学校給食をつくり、各学校に事故なく配送することを心がけています。そして、栄養教諭と管理栄養士が工夫しながら献立を考え、それを調理員の皆さんが細心の注意を払って調理し、完成した学校給食を配送員が各学校に届けてくれていることに日々感謝しています。牛乳も含めて必要な栄養素がそろった献立です。育ち盛りのみなさんの体を作るためにも飲んでほしいですね。
配送先の学校でお昼休憩を取ることがあるのですが、子どもたちの「今日の給食おいしいね!」といった声や、デザートをかけたじゃんけんで盛り上がっている様子を見ると、うれしく思います。
今後は調理室を活用し、村民の皆さまに学校給食を知っていただく機会として「給食試食会」や「人気献立の料理教室」等も計画したいと考えています。

学校給食センター 所長 鈴木 淳司