- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道利尻富士町
- 広報紙名 : 広報りしり富士 令和7年6月号
四.心身ともに健康で安心して暮らせる環境づくり
五人に一人が後期高齢者という超高齢社会がもたらす様々な問題に直面するといわれる二〇二五年を迎え、医療・介護・予防・生活支援・住まいが一体となり、住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができる「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、働き手、介護・医療人材の不足の中、サービス提供体制の確保に努めてまいります。
また、高齢者に重要とされる介護予防支援につきましては、社会福祉協議会に事業委託し、買い物等の外出支援、運動教室の開催を継続するとともに、老人クラブや関係団体と連携しながら進めてまいります。
保健事業につきましては、町民一人ひとりが自分らしく、はつらつとした生活を送るため、ライフステージに応じた事業の充実を図ってまいります。
健康づくりでは、引き続き特定健診、各種健診の体制整備や受診勧奨に努めるとともに、自身の健康に関心を向け、生活習慣の改善につながるよう、健診結果に基づいた特定保健指導や健康増進に関する普及啓発を進めてまいります。
健康寿命の延伸に向けては、高齢者のフレイル予防のため、後期高齢者健診や正しい知識と実践に向けた教室事業を実施するほか、普及啓発にも努めてまいります。
帯状疱疹の発症やその合併症予防を目的とした帯状疱疹ワクチンが令和七年度に定期接種となることから、接種体制を構築し、接種費用の一部助成を実施してまいります。
秀峰園につきましては、介護サービスの維持を図るため、職員の確保や入居者が快適、安全に生活を送ることができるよう、職員研修を実施するなどサービスの質の向上を図ってまいります。
職員の確保については、引き続き関係各校への訪問や募集などを継続するほか、外国人留学生を更に一名要請し、外国人労働者の受け入れを進めるなど、職員確保に努めてまいります。
また、介護職員住宅二棟八戸を建設し受け入れ態勢を整えるなど、島内外の人材確保や住生活環境の充実化に取り組んでまいります。
デイサービスセンターでは、安定した施設運営を図るべく職員確保に努め、関係各所と連携を図り、多くの町民に利用される施設を目指し、通所される利用者の支援やサービスの向上に努めてまいります。
利尻島老人保健施設では、引き続き利尻島国保中央病院から理学療法士の出向を継続し、通所リハビリテーション事業の万全なサービス提供に努め自立支援を促進します。また、本施設は開設から二十五年が経過していることから、老朽化しているボイラー機器一台の更新を行うとともに、令和二年度より年次計画により更新している各居室の電動ベッドを今年度も五台更新し、利用者が快適に過ごせる環境の整備と、一人ひとりに応じた適切なケアを維持し、安心安全な施設運営に努めてまいります。
鴛泊診療所につきましては、地域住民の健康を守る役割を担う診療所として、安心して受診できるよう利尻島国保中央病院と連携して継続的かつ効果的な医療の提供に努めてまいります。
子育て支援施策では、令和七年度入所予定児童三十九名への保育サービスの提供、老朽化した鬼脇保育所の木製アスレチック遊具の解体等、安心安全な保育体制に努め、将来をつなぐ保育人材の養成についても、職場体験やインターンシップ、まちのPR、短大等の養成校との連携構築に継続して取り組み、人材確保に努めてまいります。
交通安全対策につきましては、これまで本町の交通事故死ゼロの記録は平成五年四月まで七年八ケ月続いた二八〇九日が最長でしたが、昨年十一月二十日をもって最長記録を更新することができました。
これもひとえに、町民皆様の交通安全意識の高さから成し遂げられたものであり、改めて敬意と感謝を申し上げる次第でございます。
本年三月一日現在で二九一二日と記録を更新中であり、五月二十八日の三〇〇〇日達成の暁には、交通安全大会を開催するとともに道警音楽隊のアトラクションにより花を添え、更なる記録更新へ向け全町一丸となって取り組んでまいります。
五.心身の健やかな成長と学びを支える教育の推進
本町の教育施策を推進するにあたっては、「利尻富士町教育大綱」を軸として、教育政策の目標を掲げ、それぞれの施策を着実に実行していく所存であります。
令和七年度に三年目を迎える「小中一貫教育」については、町としても児童・生徒の学びを支え、成長を促す重要な施策ととらえており、児童・生徒にとってよりよい取り組みとなるよう期待するものであります。
また、学びを支える教育の推進にあたっては、授業や家庭学習等で必須なタブレット端末の更新を児童生徒・教職員全員分について、北海道で進める共同調達を活用しながら取り組んでまいります。
子どもたちの心身の健やかな成長に欠かせない学校給食については、引き続き児童・生徒を対象とした学校給食費の無償化を継続し、また利尻高校においても、これまでの調査・検証をふまえて、給食提供を導入してまいります。
さらに、児童・生徒に対する効果的な教育活動に専念できるよう教職員の働き方改革をより進め、管内でもいち早く取り組んでいる部活動の地域移行の課題に対して、地域の教育力を高めるための学校教育と社会教育それぞれの強みを取り入れてまいります
例年、北海道エアシステム(HAC)のご協力により実施している「ふるさと教育体験事業」については、本年五月に小学六年生を対象として計画しており、利尻島上空を遊覧飛行する直接体験を通して、ふるさと利尻島への愛着や誇りを育む教育の充実に取り組んでまいります。