- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道新ひだか町
- 広報紙名 : 広報新ひだか 2025年5月号
3月6日招集の町議会定例会において、大野町長が町政執行方針を述べました。その概要をお知らせします。
◆町政に臨む基本姿勢
急激に人口減少や少子高齢化が進行する中で、町の活力を維持し、発展させていくためには、町を支える「人」の確保と育成が必要不可欠であることから、私の町政2期目では、特に「人づくり」に重点をおいて取り組んでまいりました。
「人づくり」のような取組はすぐに成果が出せるものではありませんが、次の世代の礎となっていくと考えておりますので、2期目の最終年も継続して取り組んでまいります。
令和7年度の町政執行については、町の将来を担う「こども」に視点を置いたこども・子育て支援策の深化・拡充を図るほか、地域住民の複雑化した支援ニーズに応える包括的な支援体制の構築を進め、ゼロカーボン実現への取組や、デジタル技術を活用した行政サービスの向上に努め、地域住民の生活に直結する施策に力を入れてまいります。
◆基本政策
(1)開かれた町政の実現
▽広報・広聴
・町広報紙や公式ホームページ、SNSを活用した町の魅力や行政情報の効果的な発信。
・町民の皆さまとのコミュニケーションを大切にした、対話の機会づくり。
▽DX推進、行政手続
・「書かないワンストップ窓口」やマイナンバーカード、LINEを活用した手続きの拡充による利便性の高いサービスの提供。
▽財政の健全化
・エネルギー価格や労務単価などの高騰が町財政にも大きな影響を及ぼしているため、積極的な財源確保と施策の見直し。
(2) 基幹産業の強化と新分野の産業創出
▽農業
・新たな作物栽培にチャレンジする農業者への支援。
・農地バンクと連携した担い手への農地の適切な利用推進。
・上豊畑地区の飲用水・営農用水施設整備。
▽林業・林産業
・デジタル機器の導入による業務の効率化。
・地元産材の利用促進。
▽水産業
・赤潮被害対策として資源回復を図るための、各種栽培漁業の継続やタコの産卵礁設置などの漁場整備。
・漁業経営安定化を目的とした、製氷冷蔵施設の整備への支援。
・近年の海洋環境の変化に対応するための調査・研究。
▽商工業
・新規産業創出に向けて、静内農業高校と産業団体などとの連携により開発された「静農ブランド」商品のPR。
・地域資源を活用した新たな特産品開発。
(3)防災対策の強化
・防災訓練や防災講話など、町民一人ひとりの防災意識を向上させる取組の強化。
・津波緊急避難施設を整備するため、旧三石温泉を解体。
(4)子どもたちの健全育成
▽学校教育
・小中学校と高等学校、地域コミュニティとの連携による、子どもたちの未来社会に活きる力、豊かな心、健やかな体の育成。
▽学校給食
・地場産品への興味関心を育む食育の推進。
・静内農業高校への給食提供を開始。
▽生涯学習
・文化・スポーツ体験や多世代交流学習など事業の充実。
(5)生きがいの持てる地域づくり
▽重層的支援体制の整備
・高齢、障がい、こども、生活困窮など分野を超えた包括的な支援体制の構築。
・身近な地域で助け合う地域共助の推進。
▽高齢者福祉
・医療・介護連携の推進および相談支援体制の強化による住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる地域づくり。
▽障がい者福祉
・新築した「児童養育相談センター」を、療育と地域子育ての拠点として運営開始。
▽健康
・帯状疱疹ワクチン予防接種費用の助成。
・予防接種を受けやすい体制づくりや情報発信の強化。
▽こども・子育て支援
・学校や家庭に居場所がない児童が、安心して過ごせる児童育成支援拠点の設置および不登校やひきこもりに対応するスクールソーシャルワーカーの配置による支援体制の強化。
・三石小学校内に児童館を整備し、併せて放課後児童クラブの運営を開始。
・小学生の放課後活動を支援するため、児童館から少年団などの活動場所に児童を送り届ける事業を試行的に実施。
▽医療分野
・循環器疾患の早期発見・早期治療を目的に町立静内病院CT検査費用を助成。
・令和9年4月の開業に向けた三石診療所の整備。
▽医療・介護・福祉を支える人材の確保
・現行の医療技術者等修学資金貸付制度を刷新し、事業者と協働で人材確保に取り組む支援制度を創設。
▽地域内公共交通
・地域内公共交通の再構築に向け、デマンド交通の実証実験の継続や運行エリア拡大の検討。
・既存バスの運行見直し。
(6)環境を活かしたまちづくり
▽空き家
・空き家の所有者自身による適正な管理の促進。
・空家バンク制度を活用した移住・定住支援や空き家の有効活用、まちなか居住支援の推進。
▽地域温暖化対策
・公共施設への太陽光発電設備や電気自動車の導入、照明設備のLED化を推進。
・ゼロカーボンシティ実現に向けた普及啓発イベントや学習講座の開催。
▽不法投棄対策
・監視カメラなどを活用した監視体制の強化および環境保全意識の向上に向けた啓発活動の実施。
(7)町の将来を担う人材づくり
▽高校の魅力づくり支援
・進学先としてだけでなく、地域産業・経済にとって重要な道立高校である静内高校・静内農業高校の取組を後押し。
▽図書館・博物館開館10周年
・オリジナル絵本の制作や国立科学博物館の巡回展など記念事業の実施。
▽ふるさと教育
・体験的な学習を通して地域の文化や歴史を学び、ふるさとへの愛着と誇りを育む「ふるさと教育」の取組を推進。
(8)町との関わりを持つ関係人口の拡大
▽移住政策
・町内事業者への雇用の橋渡しをより重視しながら、移住体験から段階的に定住人口に繋げる取組を強化。
▽国立公園
・日高山脈襟裳十勝国立公園の指定による交流人口の増加に向け、体験滞在型観光の構築や受け入れ体制を充実・強化。
▽ふるさと納税
・ふるさと納税を通じて、町のファンとなってもらうために、選ばれる返礼品の開発と充実。
▽アイヌ政策
・令和7年度に開設する「アイヌ文化交流センター」を拠点に、「新ひだか町アイヌ施策アクションプラン」に基づく、文化伝承、人材育成、交流人口の拡大。
◆むすび
さまざまな課題にしっかりと向き合いながら、全力で取り組んでまいりますので、町民の皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
◎町政執行方針の全文は、町公式ホームぺージをご覧ください。
※二次元コードは広報紙3ページをご覧ください。