くらし しかりべつ湖

◆「紅葉と光」
秋も深まる10月。紅葉もだいぶ進み森の中の景色が紅、橙、黄と色鮮やかです。然別湖では陽射しのよくあたる湖岸には広葉樹の種類も多く、見応えがあります。カヌー、カヤック、SUP、遊覧船など湖側から眺められるもので観賞していただくことをお勧めしています。湖側に迫り出してくる枝葉の迫力は見事です。陽射しのあたる角度で紅葉の輝きも変化しますので、湖岸線の形が複雑な然別湖は1日を通して楽しめる場所だと思います。例えば写真を撮った「一の湾」では、午後2時くらいの陽射しが北側の湖岸を照らし、ここに多く集まっているダケカンバの黄葉がキラキラと輝きます。光の具合は紅葉の美しさを際立たせてくれる大事な要素ですね。
然別湖ネイチャーセンターでは、エアトリップというアクティビティツアーを、鹿追自然ランドを会場として行なっています。福原山荘の川向かいにあり、カエデの木が多く、10月になるとそれはそれは見事な紅葉を毎年見せてくれる森です。前述したダケカンバは年毎に黄葉の当たり外れがあり、葉の性質が天候に左右されやすいようですが、カエデは比較的天候に強いようです。
エアトリップというのは、森の中にワイヤーを張り、登山・高所用のハーネスという道具を身につけワイヤーにぶら下がって空飛ぶ生き物のように森の空間を飛んでいくプログラムです。高い所を飛ぶところでは紅葉した木々の上や、トンネルのように紅葉が覆い被さっている場所もあり、黄葉紅葉が上からも、そして下にも広がるカラフルな世界。これまた普段とは違った視点から紅葉を楽しめるのではないでしょうか。
紅葉は日毎に変化していき、まるで生き物のような現象。「また後日観に来よう」と言う間はなく「今」を楽しんで、愛でていただきたいです。
秋分の日を過ぎ昼間の時間はどんどん短くなっていき、10月は然別湖から鹿追市街地に向かう際に「熊の沢」と呼ばれる地域にある長い直線道路のその先に夕陽がかかる角度になる季節。夕陽色に周囲の森は染まり秋の1日の締めくくりにぴったりの光景が楽しめますよ。

写真・文:然別湖ネイチャーセンター
【URL】https://www.nature-center.jp